“毒親”をドラマで描く意味とは? 『明日の約束』仲間由紀恵と手塚理美の異常な母親像
今年放送の『過保護のカホコ』は、過干渉な親を描いた「ヘリコプターペアレンツ」をテーマにした作品であった。この作品がメルヘンチックな世界観を過剰に演出していたのは、親の過度な愛情は、ある面から見ればメルヘンチックでポジティブだが、別の面から見れば怖いものであるということを強調するためだったのだろうと、後になればなるほど気づかされる。
ただ、何年も前のドラマを見ると、母親が過干渉でいつも子供の行動を見はったり、心配ばかりしているのは、愛情であって当然のことで、なんら悪くない家庭のひとこまであり、それをコミカルにすら描いてきたものもある。そんな作品を今になって見ると、もしかしてこれもヘリコプターペアレンツなのではないかと思うようなものもある。こうした母親の行動は、愛情の裏返しと長らく言われてきた。しかし、身勝手で過剰な愛情で子供を縛っているケースはある。それを明らかにするのが、今の「毒親」ドラマの重要な役割なのかもしれない。
■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。
■放送情報
『明日の約束』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:井上真央、及川光博、工藤阿須加、白洲迅、新川優愛、羽場裕一、手塚理美、仲間由紀恵
演出;土方政人、小林義則
脚本:古家和尚
プロデューサー:河西秀幸、山崎淳子
制作著作:関西テレビ放送
制作協力:共同テレビ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/yakusoku/index.html