満島ひかり&広末涼子、名バイプレイヤーとしての活躍 今期ドラマでの演技と共通点を読む

『監獄のお姫さま』(c)TBS

 そんな満島が『監獄の~』では、元女囚たちの仲間であり、誘拐犯の一人であるドSの元刑務官役を演じている。犯罪者を憎んでいる彼女は、受刑者を「雑魚」と呼び罵倒するも、再犯した受刑者に対して「ここは帰って来る場所じゃないの! 出て行く場所! ただいまも聞きたくないし、お帰りも言いたくないの! わかる?!」と涙ながらに叱咤する姿を見せ、優しさゆえに厳しい態度をとっていることが判明した。

 熱血漢のある満島の演技と、クドカンの描くコメディが上手くマッチした同ドラマ。小泉今日子をはじめ女囚たちが、緩くつかみ所のないベテラン演技を見せる中で、彼女たちを厳しく指導する満島のドSな演技が、見事に場を引き締める。その絶妙なコントラストと構図が、実に面白い。

 輝かしいデビューから紆余曲折して再び這い上がってきた広末と、潜伏期間が長くジワジワと成り上がってきた満島。アイドルを経験し、お互い違うところでの挫折と苦悩があって、いま女優として成功している。そんな人生経験が演技に生きている彼女たちは、結果それぞれが個性的な女優として成長を成し遂げた。いいバイプレイヤーがいる作品は名作が生まれる。彼女たちが出演している作品には今後も注目だ。

(文=本 手)

■放送情報
『奥様は、取り扱い注意』
日本テレビ系にて毎週水曜22:00~(放送終了)
出演:綾瀬はるか、広末涼子、本田翼、中尾明慶、銀粉蝶、石黒賢、西島秀俊
原案・脚本:金城一紀
演出:猪股隆一ほか
(c)日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/okusama/

■番組情報
火曜ドラマ『監獄のお姫さま』
TBS系にて毎週火曜22:00~
出演:小泉今日子、満島ひかり、伊勢谷友介、夏帆、塚本高史、猫背椿、池田成志、坂井真紀、森下愛子、菅野美穂
脚本:宮藤官九郎
プロデューサー:金子文紀、宮崎真佐子
演出:金子文紀ほか
主題歌:安室奈美恵「Showtime」
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/pripri-TBS/

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