綾瀬はるかと西島秀俊がついに死闘!? 『奥様は、取り扱い注意』最終回に向けて

 第1話から多くの人が見抜いていたとおり、勇輝についてはドンデン返しがあった。彼は「福岡に出張」と言っておきながらお台場のレインボーブリッジが見える部屋にいたり、菜美の仲間であるハッカー(西尾まり)に素性を探られると口封じをしたりと、しだいに本性を露わにしてきた。こんな完璧な夫でも、名前から勤め先までのプロフィールが全て嘘で、妻の話を聞くのも愛情からではなく見張るためだとしら、それは人生の伴侶としてモラハラや浮気よりひどい裏切りかもしれない。

 これまでは『だんなデス・ノート』の逆バージョンである『旦那スキですノート』のようなラブラブ生活を送ってきた菜美だが、高い格闘能力を持つがゆえに夫を殺すことも自白させることも可能。最終回ではまさに夫と死闘を繰り広げることになりそうだ。菜美は第9話で「理想の夫婦を目指すことにした」という決意を語っていたが、それは京子が言っていた「どんなことがあっても離れられなくなっちゃった2人」を意味し、たとえ勇輝が敵だとしても別れないということなのだろうか? そんな菜美の選択を見届けたい。そして、菜美のような解決手段を持たない京子と優里が迎える結末こそ、リアルな妻たちにも参考になりそうだ。

 さらに、本当に夫を殺す寸前までいった女性がヒロインの『監獄のお姫さま』(TBS)の結末とも見比べてみたい。今クールの『奥様―』と『―お姫さま』は、アプローチとスタイルこそ違うが、同じテーマを内包している。果たして女が男に絶望した後にあるのは、さらなる絶望かそれとも希望なのか?

■小田慶子
ライター/編集。「週刊ザテレビジョン」などの編集部を経てフリーランスに。雑誌で日本のドラマ、映画を中心にインタビュー記事などを担当。映画のオフィシャルライターを務めることも。女性の生き方やジェンダーに関する記事も執筆。

■放送情報
『奥様は、取り扱い注意』
日本テレビ系にて毎週水曜夜10時~
出演:綾瀬はるか、広末涼子、本田翼、中尾明慶、銀粉蝶、石黒賢、西島秀俊
原案・脚本:金城一紀
演出:猪股隆一ほか
(c)日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/okusama/

関連記事