坂口健太郎が山口紗弥加から学んだ“患者に寄り添う心” 『コウノドリ』第8話が描く、医師たちの葛藤
医療ミスは多くの医師が犯してしまうもので、そのキャリアの曲がり角だ。新井と同じように、サクラも、四宮も、下屋も同じ道を通り、乗り越えた先に、それぞれの選択肢があった。下屋と白川は同期。下屋は、母体と赤ちゃん両方を救える医師になるため、産科から救命科へと異動した。白川が選んだのは、ペルソナを離れ、小児循環器科に異動するという道。患者に寄り添うことを思い出した白川は、生まれてすぐの心臓病でも自分で診断して、治療することができるようになるため、小児循環器科の研修を希望。白川は、医師として上ではなく、先を目指し、小さな命に今よりももっといい未来を届けることを考えた。同期の白川と下屋が、それぞれ自分たちの進むべき道を歩み始めた瞬間だ。
『コウノドリ』では、これまで医師の医療ミスや患者を亡くしてしまった際の心情を、何度も描いてきた。後悔を胸に積み重ね、医者は進んでいくしかない。「いつか最強の新生児科になるから」、白川が下屋にそう宣言したように、2人は意味のある遠回りをしながら、患者に寄り添うために、また新たな道を歩みだす。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■放送情報
金曜ドラマ『コウノドリ』
TBS系にて毎週(金)22:00〜放送
原作:鈴ノ木ユウ「コウノドリ」(講談社「モーニング」連載)
出演:綾野剛、松岡茉優、吉田羊、坂口健太郎、星野源、大森南朋 ほか
プロデューサー:那須田淳、峠田浩
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/kounodori/