山本美月が語る、『刑事ゆがみ』ヒズミ役への想い 「自分のオタク的な部分から想像して作っている」

 本日、第6話が放送されるドラマ、木曜劇場『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)。浅野忠信×神木隆之介の刑事バディものとあって、放送前から注目を集めていた。物語も中盤に差し掛かってきた現在、その面白さから視聴者の心を掴み、熱烈なファンを着実に増やしていっている印象だ。

 リアルサウンド映画部では、11月9日に放送された第5話の撮影現場を取材。第5話では、『ガリレオ』(フジテレビ系)シリーズの西谷弘監督がメガホンを取っている。漫画喫茶サイレンスで、ヒズミ(山本美月)が寝ている間に個室に足を踏み入れる弓神(浅野忠信)。ふと、ヒズミが開いていた画面『花道市誘拐事件 ○年前のロイコ事件が関係か?』に目が止まり、一通り読んだ後にそっとサイトを閉じる。後ろを振り向くと目を覚ましたヒズミの姿が。一瞬驚く弓神だが、「おう、明日ヒマ?」と声をかけ、笑いながらごまかすシーン。

 台本でいうとたった1ページのこのシーンを、ドライ・リハーサルとテストを繰り返し、調整を重ねる。「明日ヒマ?」というセリフの言い方や、間、表情、またパソコンの画面の明るさや、カメラを回す位置、小道具の配置など、細かい部分にもしっかりと注意を払い、試行錯誤。決して妥協しないのだ。だが、不思議とピリピリと張り詰めたような空気感はない。心地いい緊張感が走っている。それはきっと、浅野、山本をはじめ出演者とスタッフたちからが一体となって、いい作品を作っているという共通認識と自信があるからだろう。お互いがお互いを信頼し合っているような、絆の強さを感じる現場であった。

 そんな中、敏腕ハッカー氷川和美(ヒズミ)役の山本美月にインタビューを実行。撮影秘話や役作り、共演している浅野忠信の印象などについて、じっくりと語ってもらった。

「私の中でヒズミは、漫画のキャラクター感が強い」

ーー山本さんが演じるヒズミは、原作の漫画には登場せず、また声を失っているという特殊なキャラクターですよね。

山本:ヒズミは過去に色々あって声を失ってしまった子なんですが、実は私自身まだ彼女の細かい部分を知らないんですよ。たとえば、どうしてこんなにハッキングが得意なのか、とか。何があったのかな~と気になっています。これから徐々に私も知らないヒズミの過去が明かされていくので、楽しみです。役作りに関しては、撮影に入る前にビジュアルなど大体の設定は教えていただいたので、それを基にイメージを膨らませています。私の中でヒズミは、漫画のキャラクター感が強いんですよね。

ーー何か参考にしているキャラクターはいるのですか?

山本:参考として色々な映画やドラマを観たんですが、基本は自分のオタク的な部分から想像して作り上げています。アニメが大好きなので、アニメに出てくるような中性的なキャラクターを意識していますね。特に『ヨルムンガンド』などの女性が戦う系のものにハマっているので、そういう作品を色々観た中の知識が合わさってできた子がヒズミです。また、監督もすごく細かく演出してくださるので、それに身を任せていますね。「もっと野性的に食べて」とか「口開けて寝てて」とか、そういうちょっとした動きもご指導いただいています。

ーー山本さん自身はヒズミに対して、どういうイメージを持っていますか?

山本:なんですかね……、弓神さんに忠実な子犬という印象です。犬も人間の言葉は話さないけれど、何となく気持ちを察することはできますよね。ヒズミには実際に尻尾はないんだけど、尻尾を振ってる姿が目に浮かぶと言いますか。そういう感じにできたらいいなと思っています。

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