『過保護のカホコ』高畑充希が開けた心のドア 家族の中に生き続ける“ばあば”の存在

 『過保護のカホコ』(日本テレビ系)は、家族の幸せの形を描いたドラマだ。最終話、加穂子(高畑充希)と初(竹内涼真)は並木家、根元家の両家に見守られながら結婚式を開く。一人、勘当と結婚に反対だった泉(黒木瞳)は加穂子にこう告げる。「加穂子は、みんなの心のドアの鍵を持っているから」。

 第1話で初に出会った加穂子は、「人を幸せにできる仕事を見つけたい」という答えを見つけた。それから加穂子は、「私、こんなの初めて」と経験を積み、「素っ晴らしい」と相手を讃え、「お願いがあります」とコミュニケーションを取り、「大好きだよ」と感謝を伝えてきた。加穂子のまじりけなしの愛は、両家の家族を変えてきた。

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 亡くなった初代(三田佳子)との思い出の中で塞ぎ込む福士(西岡徳馬)は元どおりの明るい“じいじ”に、離婚を申請していた衛(佐藤二朗)と環(中島ひろ子)は再び婚姻届を出し、チェロを売ろうとしていた糸(久保田紗友)は加穂子と初のウェディングマーチを奏で「音楽で人を幸せにする」ことを誓う。一方の根元家では、教子(濱田マリ)が「養護施設兼託児所兼学習塾」の施設を作り、加穂子が保育士の資格を取り、そこで働くことを約束。加穂子は、“人を幸せにできる仕事”を見つけることができた。

 加穂子を過保護に愛しすぎるが故に、いつの間にか加穂子の超えられない壁になっていた泉。加穂子の未来を信じて門を開けることで、女王様の泉は自分の心の壁も乗り超える。ドラマのナレーションの声であり、百獣の王ライオンだと自身を思い込んでいる正高(時任三郎)は、結婚式中に初へ「加穂子を不幸にしたらぶっ殺す」と父親としての威厳を見せつけ、冗談混じりに離婚を迫られた正高は夫として泉を抱きしめる。百獣の王ライオンへと変貌を遂げた瞬間だ。

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