浜辺美波と北村匠海の見事な掛け合い――『君の膵臓をたべたい』で見せた瑞々しさとひたむきさ

 青空の眩さのためか、あっけらかんと笑顔を見せる浜辺に対してか、北村は目を細めて息を呑むのだ。この現場を偶然見かけた者があるとするならば、交わされる言葉に、なんとも風変わりなやりとりだと思うに違いない。高校生としての佇まい、裏打ちされたキャリア、そして2人を包むようなどこまでも広がる青空が、純愛の予感みなぎるシーンを作り上げていた。


 本作に見られるような純愛の瑞々しさの獲得のためには、デビューしたての新人俳優を起用すれば良い、というような単純な話ではもちろんない。映画の終わり近く、浜辺の母を前にして溢れ出す北村の感情や、共病文庫に目を通すことで見えてくるそれまで北村も観客も知り得なかった浜辺の表情など、瑞々しさだけで表現できるものではなく、そこにはたしかに、彼らの演じることへのひたむきな姿が感じられていた。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■公開情報
『君の膵臓をたべたい』
7月28日(金)全国ロードショー
原作:住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社刊)
監督:月川翔
脚本:吉田智子
音楽:松谷卓
追加編曲:伊藤ゴロー
出演:浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地、北川景子、小栗旬
(c)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (c)住野よる/双葉社
公式サイト:http://kimisui.jp/

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