『ポケモン』ブランドを再構築? サトシとピカチュウの出会いと旅立ちを描きなおした意味

 なお、このように「ポケモンと人間の関係」というのはアニメ『ポケモン』にとって重要なテーマだ。その点で今回の『キミにきめた!』を劇場版第1作『ミュウツーの逆襲』と並べて見てもおもしろい発見があるはずだ。そして『キミにきめた!』に一部脚本としてクレジットされた首藤剛志は、アニメ『ポケモン』の初代のシリーズ構成・脚本を担当していた人物で、『ミュウツーの逆襲』の脚本も手がけている。

 「WEBアニメスタイル」には首藤のコラム「シナリオえーだば創作術」のバックナンバーがあり、首藤がどのような思いでTVアニメ『ポケモン』のベースを設定したかも書かれている。「アニメ『ポケモン』とは何か」を考えるにあたって多くの示唆を含んだコラムなので、興味がある方は是非読んでもらいたい。

■藤津亮太
1968年生まれ。アニメ評論家。著書に『「アニメ評論家」宣言』(扶桑社)、『チャンネルはいつもアニメ』(NTT出版)、『声優語』(一迅社)がある。アニメ!アニメ!にてアニメ時評「アニメの門V」を連載中。titterID:@fujitsuryota

■公開情報
『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』
全国公開中
出演:本郷奏多、佐藤栞里、山寺宏一、中川翔子、古田新太、松本梨香、大谷育江、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコ、石塚運昇
原案:田尻智
監督:湯山邦彦
エグゼクティブプロデューサー:岡本順哉、宮原俊雄
プロデューサー:下平聡士、松山進、知久敦、片上秀長
脚本:米村正二
アニメーションプロデューサー:加藤浩幸
キャラクターデザイン:一石小百合、松原徳弘
総作画監督:一石小百合
音響監督:三間雅文
音楽:宮崎慎二
製作:ピカチュウプロジェクト
配給:東宝
(c)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
(c)Pokemon (c)2017 ピカチュウプロジェクト
公式サイト:http://www.pokemon-movie.jp/

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