Hey! Say! JUMP中島裕翔、過去を感じさせる“表情”の演技 『母になる』で見せた大人の魅力

 ここ最近、Hey! Say! JUMP中島裕翔の演技の成長が著しい。もともと中島は、若手ジャニーズメンバーの中でも演技の仕事を積極的にしてきた。

 中島の名前をお茶の間に広めたきっかけとなった『半沢直樹』(TBS系)をはじめ、『弱くても勝てます〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜』(日本テレビ系)、『水球ヤンキース』(フジテレビ系)、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』(フジテレビ系)、『刑事バレリーノ』(日本テレビ系)、『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』(フジテレビ系)など、多くのテレビドラマに出演し、着実に演技力を磨いてきた。2016年にはNEWS 加藤シゲアキ原作の映画『ピンクとグレー』で銀幕デビュー・初主演も果たし、演技力はうなぎ登りに良くなっている。それはジャニーズファン以外からも絶賛されるほどだ。

 そんな中島の優れた演技は、現在放送中のドラマ『母になる』(日本テレビ系)でも確認することができる。中島が演じているのは、児童福祉司の木野愁平。子どもたちに対しても親たちに対しても真摯に向き合い、柏崎結衣(沢尻エリカ)と生き別れた息子・柏崎広(関西ジャニーズJr. 道枝駿佑)が親子の絆を取り戻せるように尽力する青年である。表面だけ見ると、中島がこれまで演じてきた“真面目で好感度の高い青年”であるが、『母になる』で演じている木野は少し違う。

 ストーリーの中にはっきりとは出てきていないが、木野は何か過去に事情を抱えている素振りを見せている。パスケースに入った110円が鍵となりそうだ。そんな役どころのため、これまでの役とは違う、どこか儚い雰囲気を身にまとい、憂いを帯びた表情をすることが少なくない。言葉で感情を表現するよりも、表情で表現することの方が多いのだ。主に目の動きでや形で感情を表現しているが、時に口をぎゅっと結んでみたり、緩めたり、微妙な違いで表現をしていることが見て取れる。

 5月10日に放送された第5話でもそんな演技が見られた。広が施設の先輩である今偉(なうい/望月歩)と母親探しをするシーンではやや眉を下げて「やれやれ」という感情を表情してみたり、今偉が母親に拒絶されるシーンでは悔しさとやりきれなさが混じった複雑な表情をしてみたり、実にいろんな表情を見せてくれた。

 一世を風靡した『半沢直樹』から約4年。当時20歳だった中島も、今や23歳になった。まだどこか幼さが残っていた『半沢直樹』時代に比べ、より洗練された顔つきになり、大人の魅力が出始めてきている。含みをもたせた演技も今の中島ならではだろう。

 かつて『ピンクとグレー』の撮影時に「お芝居のときは、ジャニーズの中島裕翔ではなく、そういえば中島裕翔ってジャニーズだったんだねと言われるようになりたい」(引用:Hey! Say! JUMP 中島裕翔、ジャニーズアイドルとして目指す俳優像『ピンクとグレー』撮影現場/シネマトゥデイ)と語ったことがある中島。少しずつ、しかし着実に演技のバリエーションを広げている様子を見ると、そう認識されるのも遠くないだろう。

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