太賀、ラブコメでも実力派俳優ぶりを発揮! 『レンタルの恋』剛力彩芽と愉快なコンビに

 今、若手の中でもっとも見ておくべき俳優のひとりである太賀が出演するドラマ、テッペン!水ドラ!!『レンタルの恋』(TBS系)が1月19日に始まった。ドラマによってイメージがまるで違う演技を見せる太賀だが、今回も期待を裏切らない芸達者ぶりを発揮している。

 太賀と言えば、俳優・中野英雄の息子として知られている。世間一般では二世俳優である彼だが、実は13歳で芸能界入りしており、NHK大河ドラマに4度出演するなど、かなりのキャリアの持ち主。しかし、本格的にブレイクし、お茶の間に浸透しはじめたのは昨年、彼が23歳になったタイミングではないだろうか。

 『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)では、情緒不安定の新入社員役を熱演。ゆとりモンスターとして物語を引っ掻き回し、視聴者を本気で苛つかせた。『仰げば尊し』(TBS系)で高校生役を演じた際には、不良グループの中でもムードメーカーであるとともに愛されキャラを確立。ヒゲでパンチパーマという一風変わったビジュアルだが、どこか親しみやすさを漂わせていた。名バイプレーヤーとしての実力を遺憾なく発揮していた太賀だが、一方で主役としても頭角を現す。主演映画『走れ、絶望に追いつかれない速さで』では、親友の死に向き合う難しい役柄に挑戦。表には感情を出さないが内心ではいろいろな葛藤をしている様子を感じさせた。ナチュラルな演技は、さすがとしか言いようがない。太賀は、作品によってまったく違う個性を見せることができる、若手の中でも頭一つ抜きん出た実力派俳優だ。

 このたび太賀が演じるのは、女性にモテない(?)、エヴァ好きの平凡な大学生、山田公介。第1話は、公介がティッシュ配りのバイト中に「Rental Lovers」の社長兼マネージャー・鷹見鑑物(温水洋一)にたまたま出逢うシーンから始まる。クリスマスの予定がない公介は、時間制で理想的な恋人との時間を過ごせるサービス“レンタル彼女”を注文。やって来たのが人気No.1のレンタル彼女・高杉レミ(剛力彩芽)だった。レミは、デートに慣れていない公介に対して、満面の笑みで接し、公介のうんちくにも素直にリアクションを見せる。何も情報を伝えていないのに公介が好きなおかずのお弁当を作ってきたり、公介の好きなエヴァのコスプレでデートしたりと、相手の好みを完璧に熟知して合わせる徹底ぶり。

 公介が、そんな彼女に恋に落ちるのはあっという間だった。しかし、レンタル時間が過ぎると笑顔が消え、態度が激変するレミ。延長料金を含む5時間、13万8000円のレンタル料を機械的に請求する。公介は困惑するが、それでも彼女の魅力にどハマりしてしまっているため“好き”という気持ちは変わらない。レミには謎が多い。第1話の最後のシーンでは、首に包帯をしたレミが「私は誰」と口にし、虚ろな表情でどこかを見つめていた。

 今回の『レンタルの恋』では、『ゆとりですがなにか』や『仰げば尊し』の時の濃さはなく、全くの別人に見えるから不思議だ。レンタル彼女と分かっていながらも勘違いしていく姿や、近くに自分を思っている人がいるのに気づかない鈍感っぷりなどには、「しょうがない奴だな」と思いながらもつい応援したくなる。“モテない男子あるある”な行動と、情けない調子のモノローグが面白く、可愛くさえ思えてしまう。ラブコメ作品ということもあり、その演技はオーバーアクトだが、それでも自然に見えてしまうのは、やはり太賀の演技のうまさに依るところが大きいだろう。演技の方向性で言えば『アオイホノオ』(テレビ東京系)の焔モユル役を演じた柳楽優弥に近いかも知れない。

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