『14の夜』健太郎インタビュー
健太郎が語る、『14の夜』男子中学生の世界観「80年代ヤンキーの生態をネットで調べた」
ーー金田が全裸でプールに飛び込むシーンも印象深かったです。
健太郎:プールのシーンは、金田の芯の部分や本質が見える場面なのでお気に入りです。撮影は、手前と奥で深さが違うプールで行われたのですが、僕はそのことを知らなくて……。監督に「思いっきり飛んでくれ」と言われていたので、気合を入れて全力で飛んだのですが、想像していたよりもずっと浅くて、お尻を強打しました。アドレナリンのせいか、演技中は平気でそのまま芝居を続けたのですが、終わった後は痛かったです。
ーー金田の男気を感じるシーンでしたね。
健太郎:でも、実は暴走族が来たときに、金田はタカシを盾にしているんですよ(笑)。その暴走族と取っ組み合いになるシーンも好きです。女性の胸を揉むためだけに、みんなで本気になって向かっていく姿が良いですよね。中学生ならではの感情や、青臭さを象徴している場面だと思います。
ーーあのシーンは人が入り乱れて大変そうでした。
健太郎:暴走族役の方たちが、どうやってタカシの顔をぐちゃぐちゃにしようかと、試行錯誤していたそうです。監督やスタントの方たちも、「鼻の穴に指を突っ込んじゃって」ってアドバイスをしていました。みんなでタカシの顔を引っ張ったり、鼻の穴に指を突っ込んだりしているのを横目に、僕たちは「いけー! タカシ!」って叫んでるんですよ。実は、あのシーンは何回も撮り直していて、毎回全力で挑んでいたのでみんな声を枯らしながら、タカシを応援していました。すごく熱いシーンに仕上がっていると思います。
ーー思春期特有のジレンマや自分に対する悩みなど、すべて詰まった映画だと思います。
健太郎:みんな、自分の中にキライな自分がいる。そういう部分と向き合える作品だと思っています。あと、登場人物一人ひとりに中学生らしいバカっぽさがあるので、そこも愛らしく感じていただけるはずです。作品を観終わったあとは清々しさが残る、爽快な作品です。
(取材・文=戸塚安友奈)
■公開情報
『14の夜』
公開中
監督・脚本:足立紳
出演:犬飼直紀、濱田マリ、門脇麦、和田正人、浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)、健太郎、青木柚、中島来星、河口瑛将
稲川実代子、後藤ユウミ、駒木根隆介、内田慈、坂田聡、宇野祥平、ガダルカナル・タカ /光石研
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
2016/113分/PG12
公式サイト:14-noyoru.com
(c)2016『14の夜』製作委員会