新垣結衣×星野源『逃げ恥』コンビはなぜ相性が良い? マルチなふたりの共通点

 新垣結衣と星野源が夫婦役で出演するドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の勢いが止まらない。同ドラマの視聴率は放送を重ねるごとに上回っていき、初回の10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から、第2話では12.1%、第3話では12.5%を記録し、TBS火曜ドラマ枠の歴代最高視聴率を2週連続更新している。また、ビデオリサーチ社によるタイムシフト(録画再生)視聴率では、初回のタイムシフトは10.6%で、リアルタイムとタイムシフトを合わせた総合視聴率(重複視聴は除く)は19.5%にも及んだ。

 

 同ドラマは、職ナシ・彼氏ナシ・居場所ナシの森山みくり(新垣結衣)と恋愛経験のない独身サラリーマン・津崎平匡(星野源)が、雇用主と従業員という形で雇用契約結婚をする模様を描いたラブコメディ。SNSでは、「ガッキーも星野源も可愛すぎて…」「新垣結衣も星野源も本当にはまり役」「このコンビお似合いすぎる! めちゃくちゃスキ」といったポジティブな声が目立つ。また、同ドラマのエディングテーマに合わせて、新垣、星野ら出演者が披露する「恋ダンス」も話題となっており、YouTubeで期間限定公開された「恋ダンス」フルバージョンの再生回数は500万回を超える人気だ。

 同作がヒットした要因のひとつに、新垣結衣と星野源の相性の良さがあるだろう。新垣は、2001年にティーン雑誌『ニコラ』のモデルとしてデビューし、その後は女優として活躍。また、歌手や絵本『The Three Little Pigs』を執筆するなどマルチな才能を発揮している。星野もまた、シンガーソングライターとして人気を集める一方で、俳優としても頭角を現しており、さらには作家として著書『蘇える変態』、『働く男』、『そして生活はつづく』などを刊行している。両者ともに、クリエイティブ志向が強いのだ。また、新垣、星野ともにラジオ番組『オールナイトニッポン』のパーソナリティを務めていたり、マイケル・ジャクソンが好きだったりと、共通点が少なくない。

 

 役者としても、類似する点がある。新垣は、2006年に放送された『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(日本テレビ系)梅村ひかりや、2008年の『コード・ブルー ~ドクターヘリ緊急救命~』(フジテレビ系)白石恵などの王道ヒロインという役柄が多いイメージだったが、近年では2012年に放送された『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)黛真知子や2015年の『掟上今日子の備忘録』(日本テレビ系)掟上今日子などで、“喜劇女優”として活躍の場を広げている。彼女が持つ自然体の可愛らしさと、天真爛漫さが存分に発揮されており、爽やかで温かい笑いをお茶の間に提供している。一方の星野も、“人生”をテーマとするコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」(NHK)にレギュラーとして出演し、持ち前の落ち着いた柔らかい雰囲気と、マイペースさでシュールな笑いを生み出している。“コメディ”をナチュラルに演じられる2人だからこそ、『逃げ恥』には楽しげな雰囲気が満ちているのだろう。

 ほかにも、アニメで声優に挑戦したり、独特なファッションセンスを持っていたりと、似た部分が多い2人。なんと言っても、一見するとフワッとしていながら、実はまっすぐ一本筋が通ったパーソナリティーはそっくりで、まるで本物のカップルのような相性の良さを感じさせる。ともに、他人に対して警戒心を与えない、柔らかく温かい雰囲気が魅力的で、つい引き込まれてしまう。“ごくごく普通”の空気感を作り出すのが上手いからこそ、一風変わった役柄も違和感なく作品に溶け込ませることができるのだろう。

 

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