『おそ松さん』舞台化になぜ賛否両論? ギャグ作品を2.5次元化するハードルの高さ

 また、主催がどんなスキームで今回の舞台を実現するのかも、注目すべきポイントだと、同氏は続ける。

「2.5次元ミュージカルは、俳優や演出、脚本が大事なのはもちろんなのですが、すでにスキームを確立している大手の興行主が手がけているかどうかも、仕上がりを左右する大事なポイントとなります。というのも、現在2.5次元で人気の俳優は、年に10本以上の作品に出演することがザラで、キャスティングの際はかなり早い段階でスケジュールを抑えて、入念に準備する必要があります。それが可能なのは、やはり大手なんですよね。今回の主催である『「おそ松さん」on STAGE製作委員会2016』に、実際にはどんな企業が関わっているかも、今後気を付けてみると良いでしょう」

 一方で、開演前は酷評が多かったものの、いざ上演してみると、『刀剣乱舞』のように、舞台、ミュージカルともに高い評価を得ているものもある。また、自転車をあえてハンドルだけで表現して喝采を浴びた『弱虫ペダル』のように、舞台ならではのアイデアで結果的に高い評価を得る作品も少なくないのが、2.5次元ミュージカルだという。賛否両論のある今回の『おそ松さん on STAGE ~SIX MEN’S SHOW TIME~』は、果たしてどんな評価を得るのだろうか。

(文=松下博夫)

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