気負わず豊かな日々を送るーー北欧ライフスタイルが感じられる逸品映画4選

 アイスランド発『好きにならずにいられない』(初夏公開)では、43歳シングルの大男の不器用な恋愛が描かれる。シャイでオタクな主人公が好きな女性のために一念発起し、新たな人生をつかみ取る姿に心奪われる。人生遅過ぎることはないのだと本作が教えてくれるのだ。どうせ短い人生ならば、楽しまなきゃソン! 生涯現役をモットーに、決してあきらめることなく、ゴーイングマイウェイで己の人生を味わい尽くすしべし。

 何事も“シンプル・イズ・ベスト”だからこそ気負うことなく、自分のスタイルで生きているごく普通の人々の日常を描いた北欧映画こそが、人生のお手本となり得るのだ。人は一人で生まれ、一人で死んで行く。だからこそ日々の何気ない暮らしを愛で、目の前にいる相手を愛し、そして与えられた自らの人生を謳歌する。ごく当たり前のことだが、慌ただしい日々の暮らしの中でそれを実践するのが困難な中、きっと一条のノーザンライツがあなたの人生を照らしてくれるに違いない。

■平野敦子
映画&猫専門フリーライター。著書に『新版 人に育てられたシロクマ・ピース』『ふたつの名前で愛された犬』(以上学研プラス)。猫びより等に寄稿中。年間約400本の映画を鑑賞。旅行中毒で常に国内外を飛び回っており、今後マレーシアと台湾を訪問予定。死ぬ前に観たい映画は『哀愁』(笑)。

■公開情報
『ハロルドが笑うその日まで』
監督・脚本:グンナル・ヴィケネ
出演:ビョルン・スンクェスト、ビヨルン・グラナート、ファンニ・ケッテル
(c)2014 MER FILM AS All rights reserved 
公式サイト:harold.jp

関連記事