東野圭吾の小説がAmazonランキングを席巻 比類なき記録とともに振り返る

東野圭吾『永遠の記憶』(文藝春秋)

 『容疑者Xの献身』(文春文庫)をはじめ数々のヒット作で知られる直木賞作家の東野圭吾が、大腸がんのため7月23日に68歳で亡くなった。8月5日に『ガリレオ』シリーズ最新刊となる『永遠の記憶』(文藝春秋)の刊行を控えるなかでの訃報となった。

 稀代の売れっ子作家の逝去に国内外で悲しみが広がっているが、彼が残した作品たちはこれからも読まれ続ける。生前最後まで書き続けた作家にとって、そのことこそがなによりの望みだったかもしれない。

 いま多くの読者が、彼の死を悼むように小説を買い求めている。Amazonが発表しているランキングを見ればそのことが明らかだ。(以下、Amazonランキングはすべて7月29日13時45分調べ)

 まず、1週間後に刊行を控えた新刊『永遠の記憶』が、「本」全体のカテゴリで堂々の1位となっている。また、9位と10位には、9月に公開を控えた松村北斗・今田美桜W主演の同名映画原作『白鳥とコウモリ』(幻冬舎文庫)の上下巻が並ぶ。そのほかにも、ベスト25には『容疑者Xの献身』、『白夜行』(集英社文庫)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川文庫)、『魔女と過ごした七日間』(角川文庫)といった代表作がずらりとランクインした。

Amazon「本」ランキング

 さらに凄みを感じさせるのが、「文庫」ランキングだ。1位に『容疑者Xの献身』が輝くほか、東野作品がベスト5のうち4作、ベスト10のうち6作、ベスト25のうち13作、ベスト50のうち18作ランクインするという状況になっている。新刊『永遠の記憶』を含めてじつに106冊の著作を残した多作の作家だった(共著を除く)が、そのうち多くがヒットして人々の記憶に残っているということがよくわかる。

Amazon「文庫」ランキング

 言うまでもなく、東野作品が売れているのはこの瞬間だけではない。それはオリコンが発表しているいくつかの記録を見ることでも感じることができる。(以下はすべてオリコン調べ。2026年7月27日付)

 東野圭吾は、書籍の売上に関する歴代最多記録を複数保持している。そのうちのひとつが、「オリコン年間文庫ランキング」の1位獲得回数だ。東野は2008年の『容疑者Xの献身』(期間内推定売上部数:149.3万部)、2015年の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(同80.1万部)、2018年の『ラプラスの魔女』(同59.1万部)、2023年の『クスノキの番人』(同54.2万部)の4回も1位を獲得しており、これが歴代最多なのである。

 もうひとつ歴代最多に輝いているのが、「オリコン年間文庫ランキング」作家別1位獲得回数だ。2008年に初の1位になって以来、じつに16回も1位を獲得しているという。2008年から2025年までの18年で16回という凄まじい記録だ。また、同ランキングの今年の上半期版にあたる「オリコン上半期文庫ランキング 2026」作家別でも1位(期間内総売上部数:81.2万部)となっており、今年全体でも1位に輝く可能性が高い。

 国内累計発行部数はおよそ1億900万部とも言われ、これまで莫大な数の読者に愛されてきた東野作品。これからも読み継がれ、語り継がれていくのは間違いない。

 

■書誌情報
『永遠の記憶』
著者:東野圭吾
価格:2,310円(税込)
発売日:2026年8月5日
出版社:文藝春秋

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