【漫画】5月を擬人化するとやっぱり憂鬱子? 季節を擬人化するキラキラ青春ストーリー『キセツガール』

 可憐なキャラクターと柔らかな空気感の中に、どこか切なさを漂わせる百合作品『キセツガール』。Xへ投稿された本作は、「季節」を擬人化したような少女たちの物語が描かれている。今回は作者・ぱちおさん(@patioglass)に、作品のルーツやキャラクターに込めた思いについて聞いた。(望月悠木)

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『キセツガール』© 2026 ぱちお

春夏秋冬の物語

――なぜ『キセツガール』を制作したのですか?

ぱちお:実は本作のメイン2人は数年前に一度描いているキャラになります。5月をテーマにしたキャラクターとして2人を描いたことがあり、その時は季節というテーマ性にしつつも、オムニバス形式だったんです。そこで「もっとちゃんと描き切ってあげたい」「1年間を通した季節テーマに直して描こう」と思い、再編したものが本作です。

――そもそも「季節」をテーマにした背景は?

ぱちお:「五月病」というお題で絵を描く機会があり、そこでメイとマイの物語の骨格ができました。もともと「変化」というテーマ性が好きで、それと照らし合わせて考えていった時、「幼少期に感じていた季節と、今見る季節は結構変わってしまったのでは?」と思ったんです。ただ、春夏秋冬という大枠が変わったわけではない。「この大きく変わらないものと、少しずつ変わっていってしまったものを、月ごとに象徴キャラクターを作って物語にできたら面白いんじゃないか?」と考え、世界観などを組み立てていきました。

――マイのメイに対するスキンシップが可愛らしさがありながらも艶っぽさがありました。

ぱちお:マイのメイに対するスキンシップには、どのシーンでも少なからず独占欲に近いものが含まれています。「誰も知らない5月の良さを私だけが持っている!」というマイだけが持つ価値観の表れが、メイに対する行動に出てしまうというつもりで描写しています。

――「陰と陽」のように雰囲気の異なる2人の表情の対比も印象的でした。

ぱちお:メイは自己嫌悪の部分が強いキャラなので、「どこか自分のせいにしている」という自責の表情をちゃんと描きつつ、それが「真面目すぎるから少し抜けている」というコメディになっても大丈夫なラインで表情を作っています。一方、マイは「何考えているかがわからない怖さが時折出る」という意識で描いています。天真爛漫でメイの支えにもなっていますが、表情の明るさに後先を考えてないテンションと危うさがある無垢な笑顔を意識しました。

――ストーリー後半にはいろいろなキャラが登場しましたが、本作の続きはどのようなストーリーが展開されるのですか?

ぱちお:先述した通り、1年を通してのお話を予定しています。本作は4~5月の学校を舞台とした話でしたが、そのまま時間が流れ6月、7月と月日を重ねていく予定です。メイが5月に執着があるキャラであるように、他に登場した水無月ヒカリ、長月ミサ、霜月ミカンのような旧暦の季節の名前を持つキャラたちも、その月に対応した設定のキャラになっています。月日が経つごとにピックアップされるキャラ個人の話も楽しみつつ、メイとマイの物語も楽しんでいただければと思います。

――最後に、今後の目標などを教えてください。

ぱちお:「季節」に限らず、日常にある概念のようなテーマでの作品を目指して作っていきたいです。ジャンルはどうなるかわかりませんが、今はできそうなことをやってみたいと思ってます。また、ショート読み切り漫画短編集『百合印の缶詰』というものも手掛けていて、「気軽に読める漫画」というコンセプトでも活動をしていますので、よろしくお願いします。それぞれ電子版も配信しているため、もし気になってくださった方がいたら手に取ってもらえると嬉しいです。


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