FANTASTICS 世界が明かす、マンガみたいな人生「生まれた時からプロの厳しさを教えてくれる存在が傍にいた」
EXILE/FANTASTICSのパフォーマーとして活躍しながら、声優や俳優にも挑戦し、唯一無二の存在感を放っている彼だが、初めて語られたその人生は、本人曰く「マンガみたい」。本著はSIDE-A:ダンス、SIDE-B:サブカルという2つの入口から、世界の頭の中を少しだけ覗ける1冊となっている。自身にとって初の書籍となる『世界館』について、制作エピソードを語ってもらった。
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マフィアみたいな雰囲気の写真が撮れました(笑)
世界:文章を多めにしたいなとは考えていました。ダンスとサブカルの2本立てにしたのは、その2つが僕を構成する大きな要素であり、両方に付き合いの長い先輩や、僕のことをよく理解してくれている方がいたからですね。生い立ちを自ら話すよりも、そういう方達との対談を通して掘り下げたほうが僕のことをよくわかっていただけるんじゃないかなと思って。対談したい方はたくさんいたんですが、その中から今、特に話したい方々にオファーさせていただきました。
――両面が表紙になっているというのも、斬新ですよね。
世界:これはミステリー小説か何かで見たんじゃなかったかな?元ネタは忘れてしまったんですが、両面から読める作品があって。それに影響されて、SIDE-Aをダンス、SIDE-Bをサブカルとして、それぞれの表紙から読み進めてもらえる構成にしました。
――各SIDEの冒頭には、世界さんのソロ写真が載っています。SIDE-A(ダンスパート)は踊っているような動きのある写真で、SIDE-B(サブカル)は……悪役のイメージでしょうか?
世界:SIDE-Bはなんなんでしょうね(笑)。写真に関しては、「横須賀(世界のルーツであるダンスを習っていた場所)で撮りたい」とだけ伝えて。あとは結構自由に撮影したんです。
――SIDE-Bにはタバコを咥えた写真もありますね。
世界:マフィアみたいな雰囲気の写真が撮れました(笑)。自分が声優や俳優として演じたいキャラが、クセの強い役や悪役なので、その願望が出たのかもしれません。
生まれた時からプロの厳しさを教えてくれる存在が傍にいた
世界:部分部分を話す企画はありました。ただ、一度に全てを語るのは今回が初なので、点と点が線になっていくような感覚で読んでいただけるんじゃないかなと思います。改めて読んだら、我ながらマンガみたいな人生だなぁって思いましたね。おそらく主人公の人生ではないんですけど(笑)、バレエのレッスンから始まり、『ライオンキング』のヤングシンバ役を演じて、ダンスバトルにも出て、EXILEやFANTASTICSとしても活動して……本当にいろんなことをしてきたなぁって。
――プロになる前の経歴に関しては、元タカラジェンヌのお母様やルース・ジョイント氏などがキーパーソンとして挙げられると思います。それぞれ、世界さんにとってどんな存在ですか?
世界:もともと自分は母親が運営するスクールでダンスを習い始めたんですけど、母親はすごい厳しい人ですね。今でもファンタのライブに来ると「あの曲のあの子の動き、ズレてたね」とかアドバイスをしてきます(笑)。でも、生まれた時から、そういうプロの厳しさを教えてくれる存在が傍にいたからこそ、早い段階でプロの世界に飛び込んでもめげずにやってこれたんだと思うので、感謝しています。
僕が“ダンスの師匠”と呼んでいるルース(・ジョイント)は、ヒップホップというジャンルを創ったダンサーの1人で、マライア・キャリーやマイケル・ジャクソンとも共演していたという、ダンス界のすごい人。それにも拘わらず、僕が18歳の頃、「NYに行くから、レッスンか練習を一緒にしてほしい」と共通の知り合いを介して連絡をしたら、実際にレッスンだけでなく、一緒に過ごしてくれて。後にルースが来日した時には、僕がスタジオのワークショップを案内したこともありました。
――すごい行動力ですね。いきなり連絡をして、急に受け入れてもらえるものなんでしょうか。
世界:当時は、世界中のB-Boy・B-Girlから似たような連絡がルースに届いていたんです。だから、僕のことも「日本の10代の男の子が会いに来る」って好意的に捉えてくれたみたいで。一応、共通の知り合いとして、NYでカンフーをやっている日本人の方がいたんですけど、ほとんど飛び込みのような形で会いに行きました。ルースからはダンススキルだけじゃなくて、“Life First”――ダンスを人生の中心にしない考え方を学びましたね。当時は難しいことを言ってるなと思ったんですが、今となっては、その生き方はLDHの先輩方が体現している“新たな夢にどんどん挑戦していく生き方”とも通じていて、不思議な気持ちになります。
――DA PUMPのKENZOさん、植木豪さん&Toyotakaさん、ラッパーのKEN THE 390さんを対談(鼎談)相手に選んだ理由はなんですか?
世界:まずKENZOくんは、アーティストでもあり、審査員としてダンスに関わることもあり……というところで、自分と境遇が近いんですよね。そして(植木)豪さんとToyotakaは、僕が昨年初めて出演させていただいた舞台『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 《MAD TRIGGER CREW & どついたれ本舗 feat. 道頓堀ダイバーズ》(ヒプステ)で、演出やダンス面を作り上げている2人。KEN(THE 390)さんもヒプステの楽曲制作を手掛けていますが、豪さんやToyotakaとは違う切り口で話せたらと思って出ていただきました。
――世界さんは、KENZOさん曰く「芸能界において、ダンスの本質とかそれぞれのジャンルの歴史や背景をわかっている上で、オリジナルのスタイルも確立できている数少ない存在」とのことですが、自分なりのダンススタイルが確立したと自覚したのはいつ頃ですか?
世界:(頭を深く下げながら)いやいやいや……まだまだです。もちろん、1つ1つのダンスジャンルへのリスペクトは欠かせないですけど、いろいろなダンスジャンルを取り入れているからこそ、自分では「これが自分のダンススタイルだ」っていうのが、よくわからないんですよね。
――世界さんのダンスを見る度に、関節の動きがすごいなとは思っています。軟体動物みたいだなって。
世界:それは昔やっていたバレエやジャズダンスの影響かもしれないですね。今はヒップホップが自分のダンスの軸だと思っているんですが、母のスクールに通っていた頃は、そういうダンスをずっとしていたので、その経験が身体に染み込んでいるんだと思います。
――今、ガールズ寄りのダンスを踊ろうと思うことはないんですか?
世界:自らはあまりやらないかな。でもやろうと思えばできるので、TikTokのコラボ動画で、アイドルの方達と可愛い系のダンスを踊る時は、「畑違いの自分が一緒に踊って、なんかすみません……」って思いながら踊ってます(笑)。
いろんな切り口で自分の価値観や世界観を掘り下げた1冊
世界:その時の夢をこの機会に実現させてもらいました! 広江礼威先生は、僕の人生のバイブルになっている『BLACK LAGOON』を描かれた、憧れの漫画家さんで。ワダアルコさんとタスクオーナさんは、『BATTLE OF TOKYO 超東京拡張展』の時にたくさんのイラストレーターさんや漫画家さんと繋いでいただいたこともあり、お声がけさせていただきました。
――それにしても、まさか“女体化した世界さん”が見られるとは……!
世界:以前から、ワダアルコさんやタスクオーナさんと話している時に、冗談で「女体化させてくださいよ」って話してたんです(笑)。だから、最初は3人全員に“女体化・世界”を描いてもらおうかとも思ったんですけど、せっかく出ていただくなら、それぞれの得意分野を出していただいたほうがいいなと思って。女体化は女性キャラに定評のあるワダさんにお任せして、広江先生とタスクオーナさんにはまた違ったテーマで僕を描いていただきました。
――そして“オタク仲間”であるマフィア梶田さんとの対談記事は、同志ならではの熱量とテンポ感を感じました。
世界:梶田さんがうまく話を広げてテンポよくトークを展開してくださっています。梶田さんのことをYouTuberとかラジオパーソナリティーだと思っている方が多いと思うんですけど、もともとはライターさんなので(笑)。この対談では、僕らの出会いや大好きなアニメの話、「オタク」という言葉に対する印象なんかも話しているんですが、現場のリアルな空気感を上手く文字に落とし込んでくれました。ちなみに、(声優の武内)駿輔との対談も、普段食事をしながら話しているようなことを話しています。
――他の対談相手はほとんどの方が年上だと思いますが、武内駿輔さんは世界さんより年下なんですね。
世界:28歳だから、ホリナツ(堀夏喜)や(八木)勇征と同い年かな。ただ、駿輔も声優デビューが早くて。今では声優以外にもモノマネとか歌とか、いろんなことに挑戦してるし、僕の仕事内容とも通ずるところがあるので、共通点が多いというか。同じ熱量で話せる相手です。ホリナツや勇征を見ていても思うけど、その世代の人って、1つのモノに対する熱量が高い気がするんですよね。しかも、僕と同世代(30代)や、その上の先輩の世代は、YouTubeやTikTokですぐに情報を集められる時代じゃないので、例えば、仲間の誰かがレアなダンスの動画を手に入れたら、みんなでその動画を観てダンスを覚えたりするんですけど。ホリナツ、勇征世代あたりからは、自分の好きなモノの情報をネットで集められるので、その違いが面白かったりもします。
――では最後に、個性豊かな仲間との対談や「世界に100問」企画などを収録した1冊に、『世界館』と名付けた理由を教えてください。
世界:いろんな切り口で自分の価値観や世界観を掘り下げた1冊にタイトルをつけるっていう段階で、パッと思い浮かんだのが『世界館』でしたね。多分、この本を読んでくださった方は、僕のことを全部わかったような気持ちになると思うんです。でも「本当にそうかな?」と伝えたいですね(笑)。『世界館』は入門編、謂わば本館みたいなものなので、別館もあるかもしれないよ?と。フィギュアコレクションも厳選して、初出しのゴジラを含む3点を載せたけど、まだまだあるよ……?と(不敵な笑顔)。そんな余白も感じながら、僕の初めての書籍『世界館』を楽しんでいただけたら嬉しいです。
■書誌情報
世界(EXILE / FANTASTICS)スペシャルブック『世界館』
価格:¥2,300+税
発売日:2026年7月20日
出版社:幻冬舎
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