【漫画】雨の日にだけ会える恋人、その正体は? 切ないBL漫画『雨の日にだけ会える恋人の話』
「雨が降る日だけ、大切な人に会える」。そんなロマンチックで切ない発想から生まれたBL読切漫画『雨の日にだけ会える恋人の話』がXに6月中旬に投稿された。雨だからこそ成立する世界観や、読後に余韻を残すラストはどのように生まれたのか。作者・ひとりぼっちさん(@botti0428)が、誕生の背景や制作当時のエピソードを語ってくれた。(望月悠木)
続きを読むには画像をクリック
『言の葉の庭』にインスパイア
――『雨の日にだけ会える恋人の話』を制作しようと思った経緯、当時の状況をお聞かせください。また、制作にどれくらいの期間を要したのかなど、制作においてのお話を具体的にお聞かせください。
ひとりぼっち:当時「GANMA!」(コミスマ)で連載していた『死人探偵』の準備期間だったのですが、その折に担当編集さんに「読切やってみませんか?」と声をかけていただきました。また、その時は「GANMA!」でBL作品があまりなかったのですが、提案してOKをもらい、制作することになりました。
――「雨の日に見える透明人間」という不思議な設定のBL作品でしたね。
ひとりぼっち:この時期は、ビニール傘を描くのがマイブームでして……(笑)。それに伴い、「雨っていいな」と思っていたのと、新海誠監督の映画『言の葉の庭』が好きだったので、「雨が降る日だけ会える」みたいな、「特定の条件下でしか会えない」のって切なくていいなと思い、この設定を思いつきました。
――また、「傘の中でしか見えない」という設定も魅力的でした。
ひとりぼっち:箱庭的な世界にしたかったのと、「些細なことで相手の存在を視認できなくなるのは切ないな」と思ったから加えました。
――ストーリーを構築するうえでこだわったポイントは?
ひとりぼっち:ラストに「雨があがって遊助が消えるシーン」を入れようとは思っていたので、そこに向けて、最後が一番切なくなるようにストーリーを組み立てました。
――とはいえ、「また2人は雨の日に会えるのだろうな」という期待感も持てるラストでしたね。
ひとりぼっち:あくまで「2人の日常を覗いている」という印象にしたかったので、「物語は続いていくと感じられる」ラストにしました。また、私の好み的に「ここで終わるの? 続きは?」と思える読切作品が好きなので、この先が気になるラストになったんだと思います。
――雨のじめじめした雰囲気など、印象的なカットが多かったです。
ひとりぼっち:やはり雨のシーンが印象に残ってほしかったので、そこはこだわりました。ちなみに、当時はまだ「3D素材に頼る」という発想がなく、ビニール傘を全部、下描きから描いていたので、とても苦労しました。ただ、この後の連載でも描く機会があったおかげで、ビニール傘は資料を見なくても割と描けるようになったので、いい経験になりました。
――本作は2019年に制作されたとのことですが、今見返してどうですか?
ひとりぼっち:ナチュラルに「絵が下手だな」と思います……。ただ、あの時の絵にしかない良さがあるので、「絵の修正をしたい」とは思いません。それでも、トーンのはみ出しや削りの甘さなど、そういう仕上げの甘さの部分だけ手を加えたいなと思っています(笑)。
――最後に今後の目標など教えてください。
ひとりぼっち:基本的にBL作品、ブロマンス作品を制作していきたいです。ただ、ヒューマンドラマが好きなので、ジャンルを問わず描ける機会があったら挑戦したいなと思っています。また、紙の単行本とドラマCDを出すのが目標にあるので、そこを目指しつつも、「好きだな」と思ってくださる人に届くよう頑張りたいです。
あとは現在「Canelé」(ジーウォーク)にて、『深海のラブソング』という作品を連載しているので、気になった方はぜひそちらも読んでもらえるとうれしいです。