『極主夫道』や『怪獣自衛隊』など25人の漫画家による描き下ろし作品がずらり! バンチ25周年記念原画展「祝祭」レポ

 新潮社の漫画レーベル「コミックバンチ」のイベント『バンチ25周年記念原画展「祝祭」』が、東京・吉祥寺ギャラリーゼノンにて開催されている。

 「コミックバンチ」は、2001年創刊の「週刊コミックバンチ」をルーツに、時代とともに形を変えながら、ジャンルにとらわれない多彩な作品を世に送り出してきた。そんなコミックバンチが、今年5月に25周年を迎えたことを記念して開催されたのが、本イベントだ。

 会場では、原画や描き下ろし作品の展示をはじめ、コラボカフェやオリジナルグッズの販売、編集部によるミニコーナーなど、濃密なコンテンツを展開。さまざまな角度からコミックバンチの名作を楽しめる内容になっていた。

 1階の展示会場へ入ると、25人の漫画家による描き下ろし作品が壁一面にずらりと並んでいる。このメイン展示のテーマは「祝祭」。特別感のある華やかなもの、日常の中にある幸せ、作品の世界観を反映したもの――それぞれの作家が独自の解釈で描いた“祝祭”の風景は、圧巻の一言。タキシードやドレスなど、キャラクターたちがおめかしした姿で描かれているものも多く、作中とは違う新鮮な姿に出会えるのも嬉しい点だ。

 “祝祭”というテーマには、紆余曲折を経てきたコミックバンチならではの意味が込められている。新潮社のコミックマネジメント部 部長であり、『月刊コミック@バンチ』の2代目編集長を務めていた榎谷純一氏は、25年の歩みと本イベントについて、次のように語ってくれた。

「(コミックバンチは)週刊から月刊になったり、紙から電子へ移行したりと、多くの変化がありましたが、25年間右肩上がりで続けてこられたことを誇りに思っています。だからこそ、このイベントは作家のみなさんと編集部も一緒になってお祝いできる、お祭りのような場にしたいと思いました。さまざまなジャンルの作品が集まる媒体ならではの魅力を感じてもらえたら嬉しいです」。

 また、漫画家自身が選んだお気に入りのページを紹介する「MY FAVORITE SCENE ~この場面が、描いていて楽しかった~」と題した企画展示も展開。選ばれたシーンからは、作家の思いやこだわりが伝わってきて興味深く、その理由にも個性が表れている。名場面を振り返る機会として楽しめるのはもちろん、「これも読んでみたい」と感じる作品との新たな出会いの場にもなりそうだ。

 2階へ上がると、『鹿楓堂よついろ日和』のキャラクターパネルがお出迎え。特設コーナーでは、清水ユウ先生がアナログ作業で制作した生原稿やアニメ脚本など、ファン必見の貴重な資料が数多く並ぶ。

 また、この日は井上淳哉先生のサイン会が近かったため、『BTOOOM!』や『怪獣自衛隊』の複製原画や原稿もずらり。さらに壁面には、原哲夫先生、北条司先生、次原隆二先生など、バンチゆかりのレジェンド作家による記念色紙や年表も展示されており、バンチの歴史の重みが感じられる。

 個人的に印象的だったのは、編集部手作りの「かるた」コーナー。作品にまつわる2つのキーワードをヒントにタイトルを当てるミニゲーム形式になっており、編集者の作品愛と遊び心が伝わってくる。来場者同士で挑戦するのも楽しそうだ。

 会場併設のカフェでは、オリジナルのコラボメニューを販売している。「ゾルトさんお手製 魔王城のまかないカレー」(魔王城の料理番 ~コワモテ魔族ばかりだけど、ホワイトな職場です~)は、グリル野菜とソーセージがゴロゴロ入っていて、ボリューム満点。辛すぎず、万人受けするお食事メニューだ。「たつの特製オムライス」(極主夫道)は、パンチの効いたチキンライスとふわふわ卵のバランスが絶妙な一品。白い粉(チーズ)は、惜しまず豪快にかけたいところ。まろやかさが加わり、さらにクセになる味わいに変化する。

 「抹茶ホイップと食べる 和風釜焼きパンケーキ」(鹿楓堂よついろ日和)は、ケーキのようなふわふわ生地に、ぽってりした抹茶ホイップがたっぷり。「鹿楓堂のコーヒー」はすっきりとした口当たりなので、甘いデザートとの相性もばっちりだった。

 ドリンクメニューも充実しており、カラフルで写真映えするものばかり。中でも「江の島恐竜園のゼリーフロート」(ディノサン)は、マリンブルーとグリーンの美しいコントラストが印象的な一杯だ。上のラムネアイスはどこか懐かしい味わい。ちなみに「摘み立てベリーのフロート feat.北極クマさん」(極主夫道)は、なるべく早めに食べるのがおすすめ。時間が経つと、ベリーソースが広がって、さらに痛々しい姿になってしまうかもしれないので……。

 食事メニューやパンケーキを頼むと、特典としてARカードがもらえる。スマートフォンなどでQRコードを読み込むと、キャラクターがカメラ画面に出現。お気に入りの場所でキャラクターを撮影したり、隣に並んでツーショットを撮ったりもできる、ファンには嬉しい特典だ。なお、『魔王城の料理番 ~コワモテ魔族ばかりだけど、ホワイトな職場です~』と『鹿楓堂よついろ日和』のARは、同じQRコードでも読み込むたびに異なるキャラクターが登場するため、ぜひ何度か試してみてほしい。

 展示とカフェを満喫したあとは、入口近くのグッズコーナーへ。本イベントのために描き下ろされたイラストを使用した新作グッズが並ぶほか、過去に販売されたグッズも数多く取り揃えられている。榎谷氏に聞いたところ、この機会でしか手に入らないアイテムも多いそう。

 作家たちのこだわりが詰まった原画、歴史を感じる展示、編集部の遊び心光る手作り企画、そしてクオリティの高いコラボカフェメニューまで、コミックバンチ愛で満たされているイベントだった。お気に入りの作品との思い出をさらに深めるのはもちろん、まだ見ぬ新たな一冊と出会うきっかけに、足を運んでみてはいかがだろうか。『バンチ25周年記念原画展「祝祭」』の開催は、6月13日から7月5日まで。

■イベント情報
バンチ25周年記念原画展「祝祭」― 25人の漫画家が描く、バンチ25周年 ―(バンチ展)
日程:6月13日(土)〜7月5日(日) 11:00〜18:00(最終入場、カフェラストオーダー17:30)※火曜日休館
場所:GALLERY ZENON(東京都武蔵野市吉祥寺南町2-11-1)
料金:WEB予約券 600円(税込)/当日券 800円(税込)/サイン会付き入場券 1,600円(税込)
公式サイト:https://bunch25thexhi.fundom-event.com/
公式X:@comicbunch25

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