「なんでみんな、結婚を披露するの?」結婚式場を舞台に“壮大な茶番”を描く 古谷田奈月『神前酔狂宴』文庫化

 古谷田奈月の第41回野間文芸新人賞受賞作『神前酔狂宴』(河出文庫)が3月6日(金)に河出文庫より文庫化された。

 軍神を奉る神社の結婚式場で働き始めたフリーターの浜野。いつしか新郎新婦を「幻の金を生み出す神」と見なし、仕事にのめりこむ。利益重視のスタッフと、神社の霊性を重視する派閥との抗争が勃発するなか、「自分ひとりで婚礼をしたい」と話す女性がやってきて――。「ブーケトス一万、キャンドルサービス十万、なんでみんな、結婚を披露するの?」結婚、家族、国家という壮大な茶番を切り裂く、抱腹絶倒の「披露宴」小説、遂に文庫化。

 文庫版の装画は、漫画家の鳥飼茜による描き下ろしイラスト。古谷田奈月の新作『うた子と獅子男』も発売中だ。

 夢もない、金もない、未来もない。与えられた身体ひとつで、人生を切り抜けろ。安居酒屋で働く獅子男と、困窮女子高生のうた子。松戸駅前で出会ったふたりの、恋でも友情でもない奇妙な連帯。社会に擬態して生きる若者たちのサバイバル青春長編。季刊文芸誌「文藝」2025年夏号で発表、物語の疾走感と命を生きることへの根源的な問いに、大きな反響が起こった3年ぶりの長編小説。

著名人のコメント
ひとことで言うなら「おもしろすぎる」!――高橋源一郎(作家)

なぜ人は自分の言葉や虚構に飲み込まれていくのか。その歓喜と狂気を描いた傑作。――中島岳志(政治学者)

圧倒的喜劇。ひたすらに正確で痛烈で滑稽で、快哉を叫びたくなる。――鳥飼茜(漫画家)

しきたりの空虚さを、思考や信仰の虚々実々を、振り回される人々のおかしみと悲しみを、愛おしく、そして怜悧に描き出した傑作。――池澤春菜(声優・作家)

著者プロフィール
古谷田奈月(こやた・なつき)
1981年千葉県出身。2013年、日本ファンタジーノベル大賞でデビュー。17年『リリース』で織田作之助賞、18年「無限の玄」で三島由紀夫賞、19年『神前酔狂宴』で野間文芸新人賞、22年『フィールダー』で渡辺淳一文学賞を受賞。その他の著書に『望むのは』『うた子と獅子男』など。

■書誌情報
『神前酔狂宴』
著者:古谷田奈月
価格:1,045円(税込)
発売日:2026年3月6日
出版社:河出文庫
※電子書籍は4月以降に発売予定

『うた子と獅子男』
著者:古谷田奈月
価格:1,980円(税込)
発売日:2026年1月26日
出版社:河出文庫

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