【漫画】陰口を言ってくるクラスメイト、何でやり返す? 漫才青春読切『ヒーロー』
少しやんちゃな男子生徒・鈴木から陰口を叩かれる森谷に対して「コイツ(おもちゃ)でボコボコにしてきたんねん」と気遣う佐竹。文化祭が迫るなか、ファミレスや公園のベンチで2人の男子生徒が駄弁り合う漫画『ヒーロー』の物語は、以下の独白で幕が上がる。
「数日後鈴木シンヤは/森谷ユウキと佐竹ケイスケ両名に暗闇の中襲われることになる」
読了後に2度、3度と読み返したくなるような仕掛けがちりばめられている本作。作者・こたつみかんさんに創作のきっかけ、印象に残っているシーンなどを聞いた。(あんどうまこと)
続きを読むには画像をクリック
ーー本作を創作されたきっかけを教えてください。
こたつみかん:『セトウツミ』(此元和津也著/秋田書店)を読んで「めちゃくちゃ面白いな、俺もこういうのを描きたいな」と思ったのが始まりです。ただ最初に描いたものは「コンビニの前で進路相談をする高校生」という設定であり、森谷が鈴木から絡まれるという展開もありませんでした。
完成したプロットは『セトウツミ』の劣化版みたいな、あまりに普通過ぎる物語となってしまい「これでは良くないな」と思って試行錯誤した結果、本作のような物語になりました。
ーー試行錯誤するなかで意識したことは?
こたつみかん:漫才を題材にした漫画は会話劇が大部分を占めてしまうので、漫画における絵としての面白さが欠けがちです。読者を飽きさせないためにファミレスから公園、そしてステージへと場面転換させ、絵としての動きを出すようにしました。
また冒頭に意味深なモノローグを入れることで、読者が読み進める理由を提示しました。
ーー本作の中で印象に残っているシーン・ワードはありますか?
こたつみかん:本作を描こうと思った当初から構想にあった「塵も積もれば熱さを忘れる」ですね。これは間違ったことわざですが、こういう言葉があっても違和感がないくらい口馴染みがいいなと思って。このキーワードを軸に物語を考えていきました。
ーー作中では描かれていませんが、登場人物の森谷と佐竹がコンビを組んだ経緯は?
こたつみかん:冒頭で描いた教室での出来事から、佐竹からコンビ結成を誘ったという設定です。森谷が鈴木から馬鹿にされているのが気に食わなかった佐竹が「以前から漫才をやってみたかったし、漫才で見返したら面白いんちゃうか」という軽い気持ちで声をかけたんだと思います。
ーー2人の会話から可笑しさを感じつつ、親しさやリアリティも感じました。
こたつみかん:台詞の掛け合いは「自然な会話」を目指して、ギャグ漫画にあるような突飛すぎるボケ、突っ込まざるを得ないようなボケをなるべくしないように、会話の流れを意識して描きました。
ーー漫画を描き始めたきっかけを教えてください。
こたつみかん:自分で絵本を描いて、周りから褒められたりするような幼少期を過ごしました。そんななか「週刊少年ジャンプ」(集英社)などの漫画を読んで「あ、俺も面白い漫画を描きたいな」と思ったことが漫画を描き始めたきっかけです。高校生の頃から出版社へ漫画の持ち込みをしていました。
大学生の頃に就職活動を始めたのですが「一般企業への就職は違うかも」と思いつつ、漫画を真剣にやりたいと思い商業作家を目指す方へと舵を切りました。
商業作家を目指す以上、自分の好きなものばかり描いていてはいけないと思い苦悩したこともありました。ただ自分だけが楽しいだけでなく「売れる」「読まれる」という前提を意識しなければならないことは、比較的早い段階で受け入れられたと思います。
ーー創作を続けるモチベーションの源は?
こたつみかん:「面白いものが描きたい」という思い、あと「自分なら描ける」という根拠のない自信ですね。加えて漫画を描き上げた時の達成感、読んでもらった時に「面白い」と言ってもらえた時の満足感に魅了され、ずっと漫画を続けているんだと思います。
ーー今後の目標を教えてください。
こたつみかん:引き続き読切漫画の原稿を出版社に持ち込みつつ、SNSなどには息抜きで描いた漫画を投稿していきたいと思います。