【漫画】無表情イケメンの表情が変わる瞬間は? 『無表情な大学生と怪しい写真館店主が出会う話』のゾクっとした快感

 無表情なキャラが表情をのぞかせる瞬間は魅力的である。また、いつもはニコニコしているキャラの表情から光が消える瞬間もゾクッとして良い。Xに投稿された『無表情な大学生と怪しい写真館店主が出会う話』は、そんな“表情”に注目したくなるBL作品だ。

 幼少期から無表情なために周囲から敬遠されてきた大学生・駿一郎。だからこそ、姿形は同じでも作り手のさまざまな思いが詰まっているアートに興味を持つようになった。そして、アートへの理解を深めるためイタリアに短期留学した駿一郎は、美形ではあるがどこか謎めいた男性・レオと出会う――。

 いろいろな表情が描かれている本作の作者・ゆうがお雨季さん(@uki_uki0202)に、制作秘話などを聞いた。(望月悠木)

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『無表情な大学生と怪しい写真館店主が出会う話』(ゆうがお雨季/ナンバーナイン)

無意識に自分を重ねていた?

――アートに興味のある無表情な男子学生が主人公の物語でしたね。

ゆうがお雨季:以前、自分がフィレンツェを旅行した際、街並み全体がアートのようだったことに感動しました。また、写真館は我が子の撮影でよく行く身近な場所だったので、「写真館に怪しい店主がいたら面白いな」「絵になるなら海外かな」「美しくて怪しい店主に撮影されたら骨抜きになるかも」「魂を奪われる写真館!」と連想と妄想を重ねた結果、本作の形になりました。

——「自身が無表情だからこそアートに興味を持った」という駿一郎の設定は、とても説得力がありました。

ゆうがお雨季:私自身も幼いころは感情を出すのが苦手で、絵を描くことで表現していたんです。もしかしたら無意識に駿一郎に自分を重ねていたのかもしれません。

——レオとイタリアで出会い、その後レオの裏の顔を知るという展開でしたが、ストーリーはどのように構築していきましたか?

ゆうがお雨季:まず「接点のない2人に何か共通項を」と考え、カメラを駿一郎に持たせました。また、1話ラストでレオの本質を裏付ける出来事を描くことは最初から決めていたので、それに向かってストーリーを組み立てていきました。ただ、その過程で2人の感情の動きや変化を描くことはとても難しかったです。

それぞれの表情の描き方

――メインキャラクターのレオと駿一郎は、どのように作り上げましたか?

ゆうがお雨季:レオは最初から、インナーカラーを入れた美しく怪しいボブヘアの男性として頭に浮かんでいました。服装もハイブランドをイメージして描いています。

——レオは躍るような毛先が印象的でした。

ゆうがお雨季:顔にかかるほどの長い前髪、その隙間からのぞく美しくも謎めいた瞳で、駿一郎だけでなく読者も惹き込みたい――そんな思いで描きました。

――駿一郎はどのように描きましたか?

ゆうがお雨季:レオとは対照的に、無表情で堅いイメージを持たせたかったので、短髪で派手さのない真面目な印象にしました。スニーカーも普通でオシャレすぎないようにしています。また、リュックやボディバッグには実はこだわりがあり、某メーカーのものしか使わないという裏設定もありました。

——感情表現豊かなレオと、表情の固い駿一郎。それぞれの表情の描き方について教えてください。

ゆうがお雨季:レオは感情表現が豊かで明るい印象ですが、その内面には深い闇を抱えています。笑顔でもどこか凍りつくようなクールさを意識しました。一方、駿一郎は「無表情だけど、読者から見ると実は感情豊かで、優しく共感できるように」と思いながら描いています。

——特に注目してほしい表情は?

ゆうがお雨季:前髪が目にかかっていると多少ごまかせますが、駿一郎はレオのように隠せません。真顔の描き方にはとても苦労しました。だからこそ、チェキで見せる駿一郎の表情には特に思いを込めています。ぜひ注目してもらえると嬉しいです。

――今後の漫画制作の展望は?

ゆうがお雨季:まだまだ漫画家としては未熟なので、これからも楽しく学びながらたくさん描いていきたいです。今は一次創作イベントの参加を目指して原稿を制作中です。直近では来年1月の「関西コミティア」で、“ドースバースもの”と“恋愛不適合者”をテーマにした作品を頒布する予定なので、頑張りたいです。

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