【漫画】結婚直前の30代男性がナイーブになるのはなぜ? 共感が止まらない『僕は、マリッジブルー』

 どれだけ結婚願望が強い人でも、いざ結婚が現実味を帯びてくると、尻込みしてしまうケースは珍しくないだろう。X(旧Twitter)に投稿された『僕は、マリッジブルー』は、そんな結婚を目前にした30代男性の心理を丁寧に描写した読切漫画だ。

 同世代の男性が読むと、擦り切れるほどの共感が押し寄せてくるであろう本作を手がけたチャン・メイさん(@masondixon402)に、どのような思いで制作したのかなど、話を聞いた。(望月悠木)

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『僕は、マリッジブルー』
(チャン・メイ)

エピソードは 世間話の又聞き

――今回『僕は、マリッジブルー』を制作した経緯を教えてください。

チャン・メイ:私自身が32歳なのですが、周りの未婚の友達が結婚について敏感な時期になってきています。もちろん「興味ないわ〜」とあっけらかんとしている人もいますが、やっぱり一大決心をして「そろそろ結婚するか〜」という人が何人かいます。私は結婚して家庭がある身ですので、そんな友人たちにエールを送る気持ちで本作を制作しました。

――チャン・メイさんは女性ですが、なぜ男性を主人公にしたのですか?

チャン・メイ:「男女ともに共感してもらいたい」と思ったのですが、「女性を主人公にしなくても、女性には興味を持ってもらえそうなテーマかも」と考え、思い切って主人公を男性にしました。あとは、「マリッジブルーを女性目線で描いてしまうと、ありきたりな作品になってしまいそうだった」というのも理由の一つです。


――マリッジブルーに直面する男性心理を見事に描写されていましたが、本作を制作するにあたり、未婚の男性に取材などはしたのですか?

チャン・メイ:夫が知人の結婚式に出席した時、同じテーブルに座った友達がみんなこんな感じだったみたいです(笑)。「取材をした」というよりは、“世間話の又聞き”くらいのエピソードを参考にしました。また、作中に登場する婚約者の女性は、私の女友達をモデルにしています。


――街中にいる他の女性に目移りしてしまったりなど、かなり具体的なエピソードが描かれていますが、そこも“世間話の又聞き”から着想を得たと。


チャン・メイ:そうです。これらも夫の男友達の話をベースにしています。その男友達がまさにマリッジブルーだった様子で、彼の婚約者は誰がどう見ても申し分ないほどの器量の良さだったので、「つべこべ言わず結婚しときなさい」という当時の自分の心情も入っています。

――登場人物のキャラデザなど、こだわった部分は?


チャン・メイ:アニメ映画『ギブリーズ』のキャラデザが好きで、「鼻を描かないことで少し表情を隠して、感情の余白を作ってみよう」とチャレンジしました。

――ちなみに、登場人物の名前を出さなかった背景を教えてください。

チャン・メイ:本作に限らず、いつも私の作品では名前の印象が弱いですね。つけたとしても、ものすごく一般的な名前ですし。「自分を投影できるように」と無意識に思っているのかもしれません。

――主人公には「往生際が悪いな!」とネガティブな印象を抱きそうでしたが、不快感はなく、むしろ強く共感しました。


チャン・メイ:先述の通り、表情は描きすぎないようにしました。もしかしたら、それがネガティブな印象を抑えられた要因かもしれません。


――今後の漫画制作はどのように進めていく予定ですか?


チャン・メイ:年明けに、短めの連載を出そうと思っています。次はSFものにチャレンジしています。場所は未定なのですが、発表したらまた見ていただけると嬉しいです。また、横浜市立大学が取り組むプロジェクト「Minds1020Lab」さんから以前依頼をいただき、宇宙人の漫画とイラストを描かせていただきました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

■「横浜市立大学Minds1020Lab」でのチャン・メイさん作の漫画:https://minds1020lab.yokohama/t6seijin/

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