『呪術廻戦 死滅回游編』虎杖VS乙骨、禪院家の諍い、伏黒の進化……“5大バトルの見どころ”は?
※本稿は『呪術廻戦』「死滅回游編」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
「週刊少年ジャンプ」で6年半にわたり連載され、シリーズ累計発行部数1億部を突破した芥見下々の大人気作品『呪術廻戦』。そのTVアニメ第3期「死滅回游 前編」が、2026年1月から放送されることが発表された。
アニメ5周年記念特番で解禁されたティザーPVには、渋谷事変を経て深い絶望に沈む主人公・虎杖悠仁の姿や、新たな強者たちが次々と登場する映像が盛り込まれ、ファンの期待を大きく高めている。また、11月7日からは『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』の公開も控えており、本格的に物語は新章へと突入していく――。
今回描かれる「死滅回游編」は、「渋谷事変」終了から「五条悟復活」までの単行本9巻分に及ぶ大長編だと予想する。前編がその半分とすると、「仙台コロニー編」までがおおよその範囲だろう。ティザーPVに映し出された場面はその序盤に過ぎず、むしろこれから待ち受ける激闘の布石にすぎない。そんな状況を踏まえつつ、第3期で特に注目したい“5大バトルの見どころ”を整理してみたい。
ティザーPVでメインに描かれていたのが、虎杖悠仁と乙骨憂太の対峙である。過去編にあたる『劇場版 呪術廻戦 0』と本編の新旧主人公が刃を交える姿は激アツ。映像を見ると乙骨の刀に宿る呪力の色合いが、かつての紫ではなく黒く描かれており、溢れ出る無尽蔵の呪力が表現されており、さらに乙骨の瞳にはハイライトがなく、マットブラックのように沈んで見えるなど、“闇落ち”した不穏さを漂わせている。虎杖の心臓を突き刺すシーンは、原作では背後に式神のリカを顕現させて折れた刀を突き刺していたのに対し、アニメでは刀身は折れておらず、上から下に振り下ろすことで緊迫感が増大した印象だ。他にも戦闘の舞台が原作の道路から映画館風の空間に変更されており、映像演出ならではの臨場感とサスペンスが加えられていそう。
次に目を引くのは、脹相と禪院直哉の激突である。直哉の投射呪法による超スピード戦闘、脹相の血の術式は共にアニメ映え必至。特に脹相が血の塊を構えて繰り出す必殺の一撃はファンを唸らせるだろう。海外配信では、一部の国が「血」の描写にナーバスになると言われており、このあたりの演出も気になるところ。
禪院真希の存在も見逃せない。「禪院家壊滅編」における真希は、御三家の因縁と決別する重要な役割を担い、その戦いは彼女自身の覚悟と進化を象徴するものとなる。ティザーPVでは鋭い眼差しとともに、盛り上がった三角筋や力強い前腕が強調され、彼女の肉体美が一層鮮やかに描かれていた。原作ではかなり生々しく残虐なシーンのオンパレードとなっていただけに、その映像表現も第3期の大きな見どころとなるだろう。
また「東京第1コロニー編」における伏黒恵とレジィ・スターの戦いも大注目。体育館を舞台に現代と過去の呪術師が技と知力をぶつけ合う展開は、原作読者からも「作中トップクラスに面白いバトル」と評されたものだった。伏黒の成長を印象づける大切な見せ場となるだけに、アニメ化の際には「十種影法術影」の新たな式神や伏黒の領域展開がどう描かれるのか楽しみだ。
そして「仙台コロニー編」では、乙骨の真価が示される。原作では四つ巴の戦いに割って入る形で登場し、圧倒的な実力を見せつける姿は、まさに次代を担う呪術師の風格を漂わせていた。特にリカの完全顕現によって繰り広げられる戦闘は、映像でこそ真価を発揮する場面。制限時間の中で繰り出される怒涛の攻防、そして乙骨の術式がついに明らかになる瞬間はファン必見のシーンだ。戦闘のバリエーションも多く、敵キャラの術式も強力とあって、前編最大の見せ場となるはず。
ティザーPVからも映像化へのこだわりが強く感じられるだけに、とにもかくにも放送開始が待ち遠しいばかりだ。