第24回『このミステリーがすごい!』大賞決定 受賞者は40ヵ国を旅した海外絨毯の買い付け人

 第24回 『このミステリーがすごい!』の受賞作が10月1日に発表された。

 応募総数461作品の中から、1次選考(22作品)、2次選考(8作品)を経て、第24回『このミステリーがすごい!』大賞は、犬丸幸平(いぬまる・こうへい)の『龍犬城(りゅうけんじょう)の絶対者』が受賞した。

 また文庫グランプリには、四島祐之介(ししま・ゆうのすけ)の『アナヅラ様の穴場』と、宮島明道(みやじま・あけみち)の『馬と亀』が選ばれた。大賞賞金は1200万円、文庫グランプリ賞金は200万円(均等に分配)で、同3作品は2026年1月から順次、書籍化する予定だ。

 『龍犬城の絶対者』は2026年1月に刊行予定。1920年、中華民国。北京在住で水墨画を描いて収入を得る日本人・一条剛は、紫禁城に住む元皇帝に水墨画の先生として雇われる。しかし実際は、城に眠る水墨画を贋作にすり替えて真作を秘密裏に売却し、清朝復興のための資金を調達する目的で雇われたのだった。一条は元皇帝と、側近の翁斎とともに、贋作作りを開始。身勝手な元皇帝に辟易する一条だったが、側近の一人、宝斎が密室で腹の肉を削がれ死亡していた事件を皮切りに、一条は元皇帝とさまざまな謎を解き明かし、ふたりは友情を育むが……。

 著者・犬丸幸平は1994年5月、大阪府箕面市生まれ、神奈川県川崎市在住。京都産業大学英米語学科卒業。大学時代はバックパッカーで、中東、南米、アフリカなどを中心に約40ヵ国を訪問。現在はパキスタンの絨毯の買い付けをしている。

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