敏腕ジャーナリストが現代社会最大の謎に挑む ビットコインを生み出した謎の天才『サトシ・ナカモトはだれだ?』

 ベンジャミン・ウォレス著(小林啓倫訳)『サトシ・ナカモトはだれだ?』(河出書房新社)が9月29日に発売される。

 ビットコイン保有量110万BTC。その価値は約1250億ドルと言われている(日本円で約18兆円。2025年8月現在)。小国の国家予算にも匹敵するこの資産の保有者こそ、ビットコインを生み出した「サトシ・ナカモト」。しかし彼の正体は一切わかっていない。

 本書は原題『The Mysterious Mr. Nakamoto: A Fifteen-Year Quest to Unmask the Secret Genius Behind Crypto』の邦訳版で、著者の米ジャーナリスト、ベンジャミン・ウォレスがサトシ・ナカモトの正体について15年をかけて取材した結果をまとめた1冊。

 アメリカでは本書刊行後に多くの注目を集め、「ニューヨーク・タイムズ」紙ではベストセラーとして紹介されている書籍だ。

 2008年10月31日、サトシ・ナカモトは「ビットコイン:P2P 電子通貨システム」というタイトルで、ビットコインの概要を説明したホワイトペーパーを、サイファーパンクの人々が集まる暗号理論に関するメーリングリストに投稿。そして2009年1月には、ビットコインを実現するソフトウェアの最初のバージョンを公開して実験運用を開始。自ら最初のマイニングを行ない、ビットコインの普及に努めた。

 しかし、なぜかサトシ・ナカモトは2010年の末頃から、開発の中核的な役割を他の開発者たちに譲るようになり、2011年初頭にはビットコイン・プロジェクトの表舞台から姿を消してしまう。

 今世紀最大の謎に挑むべく、最新の手法を取り入れて新たな視点から「サトシ候補者」の絞り込みを行う著者のウォレスは、彼らを追って、オーストラリア沿岸部からロンドン、オスロ、ロサンゼルスを経てアリゾナ砂漠まで各地を取材。ある結論にたどり着く──。

■書誌情報
『サトシ・ナカモトはだれだ?』
著者:ベンジャミン・ウォレス
訳者:小林啓倫
価格:2,420円(税込)
発売日:2025年9月29日
出版社:河出書房新社

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