『ヒカルの碁』マイナーな囲碁を題材に大ヒットした理由は? 初心者目線 × ジャンプ的王道ストーリーの妙
凝縮された少年漫画らしいエッセンス
盤上で静かに行うボードゲームを題材にしているにも関わらず、バトル漫画やスポ根漫画のような「週刊少年ジャンプ」らしさが凝縮されている点にも注目したい。
囲碁初心者のヒカルは、平安時代のプロ棋士であった佐為との生活の中で、囲碁の面白さや奥深さを学んで勝負を重ねていき、最終的には世界で戦うプロ棋士への道を歩んでいく。興味のない所から、徐々に囲碁教室や子ども囲碁大会、学校の囲碁部を経て、切磋琢磨し戦績を重ね、国内のタイトル戦はもちろん最終的には世界大会にも出場する棋士となっていく様子は、まさに少年漫画王道の成長ストーリー、「友情・努力・勝利」の世界感そのものだ。
ライバルとの関係性も見どころの一つ。プロ棋士の父を持つ囲碁界のサラブレッド・塔矢アキラとの心理戦やライバル関係、そして最終的に世界を相手に共に戦っていく流れなど、囲碁をめぐる人間模様や男たちの熱い友情も本作の見どころとなっている。
いよいよ7月東京より原画展がスタートする漫画『ヒカルの碁』。これを機に、名作囲碁漫画をあらためて読み返して、作品はもちろん囲碁の世界にどっぷり浸かってみるのも面白いかもしれない。