大人気漫画『明日カノ』『パーフェクト グリッター』切手発売 推しグッズとしての“切手”の意味を考える
■あの人気漫画の切手が発売
漫画家・をのひなおによるサイコミのヒット作品『明日、私は誰かのカノジョ』『パーフェクト グリッター』の切手(フレーム切手)が入った、特製のレターセット「ぽすたんぷ・フレーム切手セット」(各1650円)が発売されている。85円と110円切手が各1枚、ポストカード、便箋、封筒がセットになっている。
また、『明日カノ』の切手セット(4180円)も発売されている。こちらは雪や彩、ゆあてゃなど主要キャラがプリントされた110円切手5枚のほかに、ポストカードも5枚つく豪華セットである。
いずれも、郵便局のネットショップで購入可能で、郵便局の窓口での販売は行わないので注意が必要だ。メールやLINEでのやりとりが一般化しているなか、こういった便箋と切手で心のこもった手紙をもらうと嬉しいのではないだろうか。ファン同士で手紙をやり取りする際には大いに盛り上がりそうである。
■切手コレクション界隈の現状
筆者は切手コレクターなのだが、「こういった切手は買って大切に保存しておけば、ゆくゆくはプレミアがつくのではないか」と若干ゲスい相談をされるのが日常茶飯事である。確実に「開運!なんでも鑑定団」の影響が大きいと思うが、切手やコイン=プレミアもの、というイメージが定着しているせいかもしれない。
しかし、切手コレクターは全盛期と比べると大幅に減少した。コインのコレクターはYouTubeの影響で子どもたちの間にも増えているといわれ、富裕層は現物資産の観点からアンティークコイン、特に金貨を中心に投資を行っている。対する切手は、現存数が少ないものや珍しい使用例の封筒などにはプレ値はつくものの、盛り上がりはいまひとつだ。
そもそも、最近、郵便に切手を貼って手紙を出した経験がある人は、いったいどれだけいるだろうか。2025年用の年賀状も過去最低レベルの発行枚数、配達枚数になったという。ひょっとすると、郵便を使うのはメルカリやヤフオクで販売した商品を発送する時くらいという人がほとんどかもしれないが、そういった郵便物にはほぼ、切手が貼られないのだ。
■切手を貼って手紙を出そう
そんな時代だからこそ、切手は郵便に使うことに意義があると筆者は強調したい。かわいらしい切手を使わずにしまい込んでしまうのは、もったいないというものだ。今回のセットには、ホス狂いで歌舞伎町に通っている人気キャラ・ゆあてゃの切手が含まれている。聖地巡礼を兼ねて歌舞伎町を探訪し、新宿歌舞伎町郵便局の窓口で投函してみてはどうだろう。
若い世代の中には、切手の使い方を知らない、そもそも切手を貼って封書を出したことがない人も増えていると聞く。もはや、“切手が貼られた郵便物”そのものがレアな存在になっているような状況だ。そんななかで、こういった魅力的な切手と便箋のセットが出ることは、郵便の文化をしっかり残していくうえで重要といえるだろう。