つば九郎、なぜ球団を超えて愛されたのか 漫画、ファンブック……大きな足跡と魅力を振り返る
ユーモアが炸裂する漫画作品も
つば九郎と言えば、これまで一度も成功したことのない、ヘルメットを使用してのくるりんぱや、時事ネタやブラックジョークを交えたフリップ芸でも有名だ。
さらには対戦チームのチアガールに突然ヤクルトスワローズのユニホームを着せたり、試合中に堂々と競馬新聞を読んでいる姿をたびたび目撃されたり、盟友のドアラの後頭部にバズーカをぶっ放したりとポップな話題にも事欠かない。
そんなつば九郎の魅力がふんだんに詰まったコミカライズ作品『天に向かってつば九郎』(漫画:まがりひろあき 原作・監修:東京ヤクルトスワローズ)にも触れておきたい。作中ではビールに焼き鳥、競馬が大好きなつば九郎のユーモア溢れる姿がふんだんに描かれている。ともすれば後輩から奢ってもらってばかり、競馬好きのギャンブル狂いのダメオヤジのように見えなくもないが、それはそれで人間味(燕味?)に溢れていてなんとも憎めない存在なのだ。
いい思いをしようとちょっとしたズルをして、最終的につば九郎に災難が降りかかる因果応報的な描かれ方をしているエピソードも数多くあり、読んでいて思わずニヤニヤしてしまう。つば九郎ファンならずとも一読いただきたい作品だ。
2018年にはファンブック『つば九郎 はじめてのふぁんぶっく』を発売するなど、多くのファンから愛されてきたつば九郎。様々な場所から「えみふる」=笑みFULLを発信してきたつば九郎が長年に渡りプロ野球界を盛り上げてくれたことに感謝しかない。どうか天国でも大好きな野球とビールと焼き鳥を思いっきり楽しんで欲しい。