【3D立体視】優雅に歩いている動物が見える? 『マジカル・アイ』シリーズ、20年以上に渡るロングセラーの理由
20年以上にわたって宝島社から刊行され続け、シリーズ累計780万部を超えたという人気シリーズ、『どんどん目が良くなるマジカル・アイ』。複雑な模様や図案などが描かれた絵を特定の見方で眺めると、絵そのものが立体的に見えてきたり、今まで見えていなかった別の絵が浮かんできたり……という体験が楽しめる。おまけに、この絵を見続けることで、禁止・乱視・老眼の症状が軽くなるという。
最新作は今年7月に発売された『横とじだから見やすい! どんどん目が良くなるマジカル・アイ』と、現在でも刊行が続く『マジカル・アイ』シリーズ。単に視覚的に不思議な体験ができるだけではなく、タイトル通り「眺めていると目が良くなる」というのが売りである。それは一体、どのような理由によるものなのだろうか。
人間の目には、毛様体筋という目のピント調節をおこなる筋肉がついている。この毛様体筋が緊張したり弛緩したりすることでピントの合った映像が網膜状に映り、それによってものがはっきりと見える、というのが眼球の仕組みだ。近視や乱視、老眼といった目の異常は、この毛様体筋から柔軟性が失われて固まった状態になることで発生することが多い。「近いところしかピントが合わなくなった状態で毛様体筋が固まってしまった」という状態が近視、というわけである。
『マジカル・アイ』を見るためには、立体視で絵を見る必要がある。特に『マジカル・アイ』は目の焦点をイラストよりずっと遠くに置く「平行法」と呼ばれる見方に対応しているイラストが多い。『マジカル・アイ』を眺めることによって、一日のうちで遠くにピントを合わせる時間が増えれば、毛様体筋も徐々にストレッチされ、近視で固まっていた視力の回復も夢ではないかも……というのが、『マジカル・アイ』で視力が回復する理屈である。
2022年に文部科学省が公開した学校保健統計調査によれば、裸眼視力が1.0未満だった小中高生はいずれも過去最多。子供に限った話ではなく、パソコンやスマホ、タブレットにテレビやゲームと、現代の日本人がモニターを眺めて過ごす時間は、今後増えることはあっても減ることはないだろう。そんな状況下では、ますます視力の低下は激しくなっていくことが予想される。『マジカル・アイ』が20年以上にわたって刊行されているのも、むべなるかな……である。
というわけで、眼精疲労がつきものの現代人にはますます重要なアイテムになっている『マジカル・アイ』。このページ内の画像でいくつか試して「立体視、なんかよくわからん図案がニュ〜ッと浮かんできて楽しい〜!」となった人には、ぜひ書籍版の購入もオススメしたい。シリーズのどれから見ても大丈夫なので、気になったタイトルのものから購入すればOK。効果には個人差があるものの、1日3分ならば試してみる価値はあるかもしれない。
■書籍情報
『横とじだから見やすい! どんどん目が良くなるマジカル・アイ ポストカード付』
監修:徳永 貴久
価格:990円
発売日:2024年7月12日
出版社:宝島社