図書カードの販売数減少 本屋閉店、競合相手増加も原因かーー本のギフト事情はどうなっている?

■図書カードの人気が落ちている?

図書カードNEXTの公式Xより@toshocard_next

 かつては、プレゼントの定番中の定番だった図書券と図書カード。子どもの頃にもらったという人も多いだろう。入学や進学、卒業などの人生の節目としてプレゼントされることは本当に多かった。読書感想文や絵画コンクールの景品だったり、アニメ雑誌の懸賞のプレゼントになっていたこともあった。

  すでに図書券は2005年に発行を終了している。1990年から発行が始まった図書カードも、厳密にいえば2016年に発行を終えている。現在発行されている図書カードは“図書カードNEXT”と呼ばれるもので、従来の磁気カードとは異なり、書店にある専用端末で裏面のQRコードを読み取って使う形式になった。

  さて、そんな図書カードNEXTだが、発行高が大幅に減少しているという。日本図書普及の発表によると、今期(2023年4月1日~24年3月31日)の発行高は293億9900万円で、前期の342億5200万円から大幅に下回ったという。近年は書店の店舗数が急激に減少しているため、そもそもカードを使える機会が減っていることも大きな要因のようだ。

  また、明確なデータこそないものの、図書カードに替わる贈り物の競争相手が増えたことも原因であろう。図書カードNEXTであれば、オンライン書店でも使えることができるようになってきてはいるが、用途や店舗は限られている。例えば、コンビニなどで使えるQUOカードは、あらゆる商品が買えるので利便性が高い。ほかにも、AmazonギフトカードやAppleギフトカードも、近年プレゼントとして選ばれる機会が多いようである。いずれも用途が広いうえに、手軽に使えるのが人気の要因となっている。

■チケットショップでは依然人気

 なお、図書券や図書カードはチケットショップでは人気商品である。東京都内では、新橋や新宿などでビジネスパーソンの利用が多いという。大型書店に近いチケットショップでは頻繁に売れるようで、ビジネス書や雑誌、そして漫画を購入する際に根強い人気があるようだ。

  ちなみに、図書券や図書カードは、昔に発行されたものでも使えるのはご存じだろうか。図書カードNEXTには有効期限があるが、2016年まで発行されていた図書カード、そして100円や500円などの額面があった図書券は有効期限がないため、今でも問題なく使うことができる。

  図書券が掃除のときに引き出しの中から見つかることがあるが、「もう使えないのではないか」と思って捨ててしまう人もいるらしい。それはもったいない。古い図書券はチケットショップに持ち込んでもいいのだが、せっかくなので本を買い、読書を楽しんで見てはいかがだろうか。

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