『呪術廻戦』五条悟や宿儺にも勝てる?  髙羽史彦が“作中最強キャラ”と呼ばれる理由

 

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

※本稿は『呪術廻戦』単行本最新刊までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

  7月4日、芥見下々によるダークファンタジーマンガ『呪術廻戦』の最新刊となる27巻が発売された。同巻には第237話から第245話までのエピソードが収録されており、お笑い芸人・髙羽史彦の華々しい活躍がまとめられている。

  髙羽といえば、ファンのあいだで「作中最強クラスの呪術師」とも囁かれてきたキャラクターだ。なぜそこまで高く評価されているのか、最新刊の内容にも触れつつ分析していこう。

 そもそも髙羽は「死滅回游」の影響によって術式を発現させた覚醒タイプの泳者(プレイヤー)。元々は売れないお笑い芸人としてくすぶっていた35歳の男性で、今もその気質は変わっておらず、いつでも人を笑わせることに全身全霊を捧げている。

 術式の「超人」(コメディアン)は、自身が「ウケる」と思ったイメージを現実のものとする能力で、作中のナレーションでは「五条悟にも対抗できうる術式」とそのポテンシャルの高さが仄めかされていた。

  これまでは黄櫨折相手に戦闘を行う場面があったが、途中で幕切れになったこともあり、消化不良だった印象。27巻で描かれた羂索とのタイマン勝負において、初めてその真価が発揮されたと言えるだろう。

  羂索といえば1,000年以上にわたって呪術の研鑽を積んできた実力者で、薨星宮(こうせいぐう)での戦いでは特級術師・九十九由基と呪術界の大物・天元、1級術師相当の脹相が3人がかりで挑んで敗北を喫したほど。ほぼ最強クラスの術師と言えるが、髙羽はそんな相手と対等にやり合ってみせた。

  矢継ぎ早に繰り出される呪霊操術による攻撃をすべて無効化し、とっておきの特級呪霊すらも一撃で撃破してしまう始末。羂索は自分が培ってきた呪術のノウハウが通用しない相手に、驚愕を抑えきれない様子だった。

  たんに現実を面白い方に改変するだけでなく、相手の思考まで乗っ取ることができる強制力が「超人」の強み。髙羽本人が芸人としての自信さえ失わなければ、戦場を完璧に支配できるという、まさに異次元の術式だ。

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