高橋一生『ブラック・ジャック』ドクター・キリコ役が女性で賛否 手塚るみ子「リミックスが楽しみ」
■あの医者が女性に!?
6月30日、21:00から放送予定の手塚治虫の名作漫画『ブラック・ジャック』のドラマのキャスティングが続々発表されている。主人公のブラック・ジャックは高橋一生が演じる。手塚漫画の中でも屈指の名作かつベストセラーでもあるだけに注目度が高いが、なかでもドクター・キリコを石橋静河が演じと発表され、「キリコが女性になるのか」と大きな話題になっている。
ドクター・キリコはブラック・ジャックの主要な登場人物の一人で、依頼を受けて安楽死を請け負う医者だ。もちろん通常の医療行為も行うし、安楽死ばかりやっている医者というイメージは誤解なのだが、ブラック・ジャックと対照的な医者であり、本作に流れる「医者は何のためにあるのか」「生命とは」「医療とは」などのテーマを考える上でカギになる存在である。
今回のキャスティングに、ネット上では賛否両論が巻き起こっている。「攻めのキャスティングだ」などと肯定的な人も少なくない一方、「テレビドラマの脚本家は原作改変しなきゃ死ぬ病なの」「(ブラック・ジャック役の)高橋一生の方がキリコ役に向いているのでは」など様々な意見が飛び交っている。
もっとも、それだけ『ブラック・ジャック』に期待が大きい証拠といえるし、制作側もこうした意見が出ることは想定の範囲内かもしれない。思えば、これまでの『ブラック・ジャック』の実写化の際も、様々な意見が飛び交ってきた。そして、議論になったのはやはりキャスティングであった。
ブラック・ジャックは宍戸錠や本木雅弘など、数々の俳優が演じているのだが、なかでも有名なのが“加山雄三のブラック・ジャック”である。これはさすがに……という意見が多いようで、コアな手塚治虫ファンの間では語り草になっている、ある意味歴史的な作品といえよう。
■手塚るみ子はこう考える
さて、こうしたネット上での議論に対し、手塚治虫の娘であり手塚プロダクション取締役の手塚るみ子がXでこう発言している。
「今回のドラマ化は原作のエピソードも入れつつまったく違うオリジナルな創作と聞いてます。これまでも手塚プロダクションは様々な二次創作において許容範囲を広げてますし独自性が魅力になる場合もあるので。個人的には城定監督×森下さんによる手塚リミックスがどう出るか、反響含めて楽しみたいなと」
放送日まで1週間を切っており、長年の手塚ファンからも、ドラマファンからも注目が集まっているドラマ『ブラック・ジャック』。ネットで否定的だった人たちも納得のいくクオリティに仕上がっているのかどうか注目だが、難しいことを考えずに、純粋に作品の世界に浸ってみてはいかがだろうか。