『凪のお暇』地雷系女子・市川円から目が離せない 現実にいたらアウトすぎる言動を振り返る

※本稿は『凪のお暇』のネタバレを含みます。

 コミック最新刊11巻が発売中の人気漫画『凪のお暇』。北海道へ帰省中の主人公・凪のもとに、元彼の慎ニや仲間たちが集い同窓会チックな展開を見せているなかで、注目したいのがストレートヘアで抜群のルックスを持つ慎ニの恋人・市川円だ。登場時からこじらせ系女子の雰囲気を醸し出していたが、10巻、11巻ではまさかの言動を連発し、ついに慎ニと破局することに。本稿では、2人が破局に至るまでの市川の様々な地雷行動を振り返ってみたい。

「この話何度め?」自虐話をリピートしても相手にツッコませない魔性ぶり

 市川円のヤバさが如実に作中で現れ出すのは、コミック7巻の四十一円め(第41話)「凪、グレる」の回だ。凪が北海道へ長期帰省している間、市川を学生時代の友人に彼女として紹介し、一緒にレストランで食事をするなど仲を深める慎ニ。一見、順風満帆な美男美女カップルなのだが、読み進めていくと慎ニがだいぶ我慢と葛藤していることがわかる。

 例えば、市川の「みんなに八方美人って言われるんです」という悩み相談に対して。彼女に対しては「市川なんも悪くないよ。悪いとしたら全部周りの奴」と言い、見た目の良さゆえに生きづらいのだろうと心の中でも一定の理解は示す。しかし、このシーンの心の声は「でも正直」と続き、「この話何度め?」と続くのだ。

 慎ニは当初、市川を「ストレートヘアと可愛い容姿の従順そうな後輩」と思って付き合っているのだが、実際は彼が凪の近況を友人たちと電話で話している際に、自分に注目させようと膝枕をせがんでおりなかなか積極的。さらに、仕事の悩み相談があると度々慎二を呼び出し、「八方美人と言われている」「女だから仕事を正当に評価してもらえない」などの悩みを長時間聞いてもらっているようなのである。 

 普通なら、大抵の男性が匙をなげてしまいそうなのだが、慎二は、「かわいそうな自分がかわいい感すらかわいい」と彼女の自虐話に付き合い、そのモヤモヤを解消するためあとで凪に電話をするのである。

 この回の後も市川の自分語りにうんざりする慎二の姿は何度も登場するのだが、凪に対してはどこまでも毒舌な慎ニが、自分語りの肯定要員にされていると不満を抱えながら何も言えない様子は、まさに「魔性の女」の手中に落ちてしまった男の末路だ。さらに、慎二は最終的に市川に毎年行ってきた新作イベントの大仕事を奪われてしまう。これまで営業部エースのモテ男として通ってきた慎二をそんな状態にさせてしまう市川は正真正銘「ファム・ファタル」なのである。

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