ガンニバル、サマータイムレンダ、屍鬼……『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』で話題沸騰、“因習村”を舞台にした名作たち

 最近、映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』で「因習村」が話題となった。因習村とは、古いしきたりや言い伝えが残っていることから、異様だと感じる習慣や排他的な不気味さがある村・地域などを指している。そこで今回はそんな「因習村」を舞台にした作品を紹介していこう。

異様な習慣と狂気が描かれる『ガンニバル』

 最初に紹介するのは、二宮正明による漫画『ガンニバル』。2022年に柳楽優弥主演で実写化されたことでも有名な作品だ。因習村を舞台にした作品の中でも、特に異彩を放つ作品と言えるだろう。

 本作の舞台は山間の村「供花村」で、物語は前任の駐在員が失踪したことから、主人公・阿川大悟が家族と共に供花村に赴任するところから始まる。

 村人たちは新任の大悟を歓迎するが、ある日老婆の遺体が発見された。偶然事件前に食人文化について調べていた大悟は、事件をきっかけに村に「食人文化が根付いているのでは?」という疑惑を抱く。真相を追い求めようとする大悟が、山奥の限界集落で様々な謎や危機を乗り越えていくストーリーだ。

 「カニバリズム」というテーマを描いたタブー感の強い因習村系作品で、危機を乗り越えながら次第に狂気に染まっていく主人公の姿も見所だ。襲ってきた村人を必要以上に殴るといったドラマ版の柳楽優弥の狂気的な熱演も話題になった。現在制作が発表されているドラマ『ガンニバル2』では、さらに狂気的な柳楽優弥の演技が見られるかもしれない。

爽やかな作風で描かれる『サマータイムレンダ』

 続いて紹介するのは、田中靖規の作品『サマータイムレンダ』。「週刊少年ジャンプ+」で連載されていた作品が原作で、2022年にアニメ化され一気に人気が広まった。本作は因習村系作品としては珍しく、明るく美しい海や島が描かれている。和歌山市に実在する離島・友ヶ島がモデルの「日都ヶ島」が舞台だ。

 主人公の少年・網代慎平がタイムループの力を駆使して、「影の病」と呼ばれる島特有のナニカの謎を解き明かしていくという、ループもののストーリーとして有名。排他的な土地で、古くから伝わる因習と謎に巻き込まれていくなど、しっかりと因習村の要素が含まれている作品でもある。

 絵柄も可愛らしく爽やかな作風ながら、登場人物はどんどん不可解な死を遂げていくのも特徴。ハラハラするホラーやサスペンス、ミステリーなど様々な要素が含まれたストーリーに、ネット上では「めちゃくちゃ怖いけど予想を裏切る展開が何度もあって面白い!」と絶賛の声が続出している。

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