舞台『千と千尋の神隠し』大ヒット『進撃の巨人』海外公演決定ーー注目の2.5次元舞台は?

■海外での上演を期待したい2.5次元舞台

  ここからは、まだ海外公演は実現していないものの、海外にも原作ファンが多く、その上演が期待される作品をいくつか挙げたい。

舞台『未来少年コナン』

 『千と千尋の神隠し』『となりのトトロ』と同じく、宮﨑駿監督作品、『未来少年コナン』を原作とした舞台『未来少年コナン』が現在、東京芸術劇場 プレイハウスで上演中だ。最終戦争後の荒廃した地球を舞台に、恐れを知らない野生児コナンがなおも権力にしがみつく人間たちと戦う姿を描いた冒険アドベンチャーの本作で主演を務めるのは加藤清史郎。演出を、唯一無二の空間演出と卓越した身体表現で魅せるインバル・ピントとダビッド・マンブッフが務める。世界中に熱烈なファンを持つ宮﨑作品を原作としているだけに、海外での上演もぜひ実現してほしいところだ。

ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』

 すでに公演は終わってしまったものの、海外ファンの多い『ジョジョの奇妙な冒険』にも触れておきたい。本作は、荒木飛呂彦の大人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』の中から、「第1部 ファントムブラッド」をベースに世界で初めて舞台化した作品。19世紀末のイギリスを舞台に、主人公ジョナサン・ジョースター(通称“ジョジョ”)と運命的な出会いを果たすディオ・ブランドーを中心に、〈謎の石仮面〉をめぐる熱き戦いと奇妙な因縁を描く。演出・振付の長谷川寧による、徹底的に考え抜かれた緻密な演出で原作の世界観を見事にステージに再現。さらに、“ジョジョ”を演じた松下優也と有澤樟太郎(Wキャスト)、ディオを演じた宮野真守をはじめとしたキャスト陣の熱演っぷりも凄まじく、「目の前で、漫画で見たあのシーンが再現されている!」という感動を味わえる作品に仕上がっていた。日本での再演とともに原作ファンの多い海外での公演も期待したい。

『進撃の巨人 ‐the Musical‐』

 そして、このコラム執筆中に『進撃の巨人』‐the Musical‐の初の海外公演決定が発表された。23年に大阪、東京で上演された『進撃の巨人』‐the Musical‐は、諫山創による原作漫画をミュージカル化した作品。

  岡宮来夢が主演、植木豪が演出を務めて上演された本作は、音楽とダンス、アクションを多用してその世界観を構築し、実現不可能と思われた巨人のいる世界を作り上げた。描かれているのは物語の序盤のみ。しかし、キャラクターの再現度もかなり高く、個人的にはエレンの「駆逐してやる」の叫びで「エレンが目の前にいる」と鳥肌が立ったほどだった。24年6月21日に韓国・大邱(テグ)で開催される「第18回大邱国際ミュージカルフェスティバル(DIMF)」にて舞台映像の上映が予定されている。

  さらに、24年10月11日から13日にアメリカ・ニューヨークのNew York City Centerでの上演が決定。日本初演に引き続き、演出を植木、エレン・イェガー役を岡宮、ミカサ・アッカーマン役を高月彩良、アルミン・アルレルト役を小西詠斗、リヴァイ役を松田凌、エルヴィン・スミス役を大野拓朗が務める。日本初演は、そのクオリティの高さゆえ、開幕直後からSNS上で口コミが広がり、大盛況のまま幕を閉じた本作。ニューヨークではどのように受け取られるのか。開幕を楽しみに待ちたい。

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