『ONE PIECE』サンジの母親、ノーランド、キュロス……最も辛い人生を送ってきたキャラといえば? 

愛する子どもたちを救えなかった母の悲しみ

  サンジといえば、ヴィンスモーク家の三男として壮絶な幼少期を過ごした過去で知られているが、その母親であるソラも運命に翻弄された人物だった。

  サンジを除くソラの子どもたちは、科学戦闘部隊「ジェルマ66」の冷徹な人間兵器だが、それは夫・ジャッジの独断によるもの。ジャッジは我が子を人間兵器にするため、四つ子を身ごもるソラに改造手術を強行したのだ。

  ソラは必死に反対したものの、ジャッジの計画から逃れることは叶わず、出産前に劇薬を飲んで最後の反抗を試みた。だが、救えたのはサンジだけで、他の3人は無感情な人間兵器として育っていく。

  追い打ちをかけるように、ソラは劇薬の後遺症で病床に伏してしまう。次第にソラは衰弱し、子どもたちと満足に触れ合えないまま帰らぬ人に。人の心が残るサンジやレイジュの存在は、唯一の救いだったことだろう。

  尊厳を踏みにじられても、強く生きる『ONE PIECE』の登場人物たち。これほどまでに人の心を揺さぶるエピソードを量産できる尾田栄一郎は、やはりただ者ではない。

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