『葬送のフリーレン』映画化を望む声も……「第一級魔法使い試験編」に続く「黄金郷のマハト編」はなぜ人気?

魔族と人間は別の生き物である

 マハトは話し合いともに暮らし、理解しあうことが共存への第一歩と考えていた。そのため“罪悪感”と“悪意”を理解したかったが、その感情は多くの人を殺さなければ知り得ない。そしてこのことについて、マハトは"人間を理解する過程で多くの人が死ぬことはとくに問題ではない"という認識。だからマハトが共存を望むほどに人が死ぬし、行く末は戦争になるのだ。

 いくらマハトが人間に好意を持っていても、魔族と人間はこれほどまでに別の生き物なのだということを、本エピソードでは何度も突きつけられる。突きつけられてもなお、話せばわかるのではないかとの考えをいまいち捨てきれないのは、きっと私たちがあらゆる感情を持つ人間だからだろう。デンケンやグリュックとの関係性はもちろん、繰り返し問われた「共存」についての答えが色濃く映し出されていることも、本エピソードが屈指といわれる理由のひとつなのではないだろうか。魔族の本質を垣間見れる「黄金のマハト編」。映像化される日を楽しみに待ちたい。

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