『ろくでなしBLUES』前田太尊が「かめはめ波」 森田まさのり、鳥山明さんへの思いを語る
『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』『べしゃり暮らし』などのヒット作で知られる漫画家の森田まさのり氏が、自身のXで、3月1日に急逝した鳥山明さんへの思いを語っている。
訃報が伝えられた3月8日には、仕事が忙しく後回しになっている『ドラゴンボール』のイラストの仕事があったことを明かし、「鳥山先生に褒めてもらいたかった…」とポスト。同時に、自身が高校2年生の時、手塚賞の佳作で表彰されたパーティーでもらったという、鳥山さんのサイン色紙を公開した。色紙は6年前に仕事場を新築して額装するまで「ずっと裸で飾ってた」とのこと、アラレちゃんの線画に「連載してね!!」という言葉が添えられた色紙は陽に焼けているが、森田氏の深い思い入れが伝わってくる一品だ。
さらに3月10日には、『ろくでなしBLUES』の主人公・前田太尊が「かめはめ波」のポーズをとっている原画を公開。ちなみにこちらは第343話の扉絵で、「週刊少年ジャンプ」での連載時は「撃ちてえぜ、カメ○メ波ーーーーっ!!」というアオリ文も印象的だった。
そして3月11日も、「なんかずっと鳥山先生の事考えてる。とんでもない喪失感…」という言葉とともに、あるエピソードを披露した。森田氏といえば、ジャンプ史上に燦然と輝くヒット作を複数持つ作家だが、実は意外にも、アンケートで1位を獲ったことがないのだという。当時、読者アンケートは膨大なハガキの中から無作為に1000通を選んで集計(1枚につき3作品の投票)していたそうで、ある時、350票ほど獲得して「これはついに1位間違いない!」と考えていたところ、『ドラゴンボール』が700票とダントツの数字で、「結局足元にも及ばなかったなぁ…」と懐古している。
世界中のファンの悲しみも巨大なものだが、鳥山さんに憧れ、同じ業界で切磋琢磨してきた漫画家の喪失感は、想像を絶するものがあるだろう。そんななかで、知られざる思い出を語ってくれる人気作家たちに感謝しつつ、あらためて鳥山さんの名作を楽しみたい。