鳥山明 古書の街・神保町でも追悼する動き 色紙や単行本など懐かしい作品を多数販売
■神保町で懐かしの鳥山作品に出合える
『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』など、漫画史に残る傑作を生みだした漫画家・鳥山明が、急性硬膜下血腫のため3月1日に急逝した。ニュースが報じられたのは3月8日だったが、翌9日に東京にある日本最大級の古書店街・神保町を散策すると、いくつもの古書店が鳥山の単行本や雑誌を展示し、追悼コーナーを設けていた。
「澤口書店神保町店」は、「追悼 鳥山明先生 手掛けた作品 イラストを集めました」と書かれたボードとともに、『ドラゴンボール』の単行本のセットや、『Dr.スランプ』が表紙を飾った懐かしの「週刊少年ジャンプ」を展示。
アラレちゃんが描かれた「ジャンプ」は3000円台で購入できるものも多く、もちろん当時の雑誌価格からすればプレミア価格だが、懐かしい気分に浸れるということを考えると、むしろお手頃ではないだろうか。特に「ジャンプ」の表紙は鳥山の画力の高さやポップな絵柄を堪能できるものが少なくない。
神田古書センター2階にある「夢野書店」でも、鳥山の単行本や雑誌のコーナーを設けていた。代表作の『ドラゴンボール』だけでなく、『銀河パトロール ジャコ』など知る人ぞ知る短編の単行本もあった。
「長島書店」が運営する漫画専門店「Naga」では、鳥山の貴重なサイン色紙を数点展示していた。非売品ではあるものの、来店すればだれでも自由に見ることができる。ネット上には鳥山の偽サイン色紙が蔓延している状態にあるが、こちらはいずれも本物だ。本物でしか味わえない力強いタッチ、そしてその場で描かれたとは思えないほどの表現力に圧倒されるはずだ。
そぞろ歩きをすれば、雑誌から単行本、そしてサイン色紙まで様々な“お宝”を一度に見ることができる。さすがは神保町と言っていいだろう。
都内の大手新刊書店や漫画の専門店でも鳥山の単行本を急遽大量注文し、コーナーを作る動きが進んでいる。鳥山といえば『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』が有名であるが、短編の名手でもあり、『COWA!』や『カジカ』、そして最近何かと話題になっている『SAND LAND』など傑作も多い。この機会に単行本を買い求め、深淵な鳥山ワールドにどっぷりと浸かってみてはいかがだろう。