『ろくでなしBLUES』前田太尊、“らしくなかった”シーンの後悔&新案発表? 進化続ける森田まさのり
漫画家の森田まさのり氏が2月22日、自身のXを更新。1988年から97年にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載された不良漫画の金字塔『ろくでなしBLUES』に関して、主人公・前田太尊の“らしくなかった”シーンに言及した。
SNSで積極的な発信を続けている森田氏は、以前から『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』、『べしゃり暮らし』など自身のヒット作について、作画やセリフのミスを中心にセルフツッコミを行う「なかったことにしたい」シリーズを展開。自虐ネタでファンを大いに楽しませている。
今回ポストされた「なかったことにしたい。その46」では、『ろくでなしBLUES』のサリー編にて、太尊が地面に足で「死」の一文字を書き、横浜進光工業高校一行への怒りをぶつけたシーンがピックアップされた。森田氏は、本当は「殺」と描かせたかったが、「太尊がそんな文字知ってるか?」ということで「死」になったとしつつ、「でもやっぱりちょっとニュアンスとして違うのよ」と後悔。さらに、「太尊にしては字が上手すぎるし、太尊ならどこか書き損じてるべき」と、らしくないシーンになったと考えているようだ。
これ創作の難しいところで、セリフひとつとっても、正確さや伝わりやすさを重視すると、「このキャラがこんな言葉を知っているか?」などの違和感を生じさせてしまうケースがある。そんななか、森田氏は翌23日、「そうだ! 『殺』と書いて、サリーに『よくそんな漢字書けたじゃねーか』とでも言わせたら、たまたま知ってた感が出て、キャラを壊す事もないしシチュエーションにもあってたかも…! それだったか〜!」とポストした。
見事な解決策であることだけでなく、もう30年近く前の作品について今も“改善案”を考え続ける姿勢がすごい。森田まさのりがヒット作を量産し続ける秘訣は、実はこうした細かなセルフツッコミにあるのかもしれない。