『アイシールド21』14年ぶりの新作読切「BRAIN×BRAVE」で蘇った情熱と、止まらない“続編”への妄想
止まらない妄想
『BRAIN×BRAVE』を紹介する見開きページでは「初の激突!!セナとヒル魔」と書かれている。炎馬ファイアーズと王城大の試合後に、桜庭春人はモン太と握手した際に「今年は見事リベンジされたね」と言っており、恐らく前年は最京ウィザーズと王城大が甲子園ボウルでぶつかっていた可能性が高い。
そのうえで最京ウィザーズは無敗記録を積み重ねていることから、最京ウィザーズが王城大を倒したことが予想される。「どのように進のディフェンスをかいくぐったのか」「王城ホワイトナイツ時代に披露された進をランニングバックに据える攻撃的陣形“バリスタ”は止められたのか」など、様々な妄想が溢れだしてしまった。
また、ライスボウルを勝利したチームは、社会人の日本一チームと対戦する“ライスボウル”が控えている。とはいえ、社会人チームと大学チームでは実力差がありすぎたため、2022年からライスボウルは社会人日本一決定戦になった。『BRAIN×BRAVE』でもその世界観は反映されていると思うが、炎馬ファイアーズや最京ウィザーズが社会人チーム、とりわけ武者小路紫煙(キッド)や峨王力也が率いる武蔵工バベルズとどのように戦うのかまで想像したくなる。
峨王がいた白秋ダイナソーズは中心メンバーの円子令司の知略を駆使していたものの、攻撃面では課題があり峨王のワンマンチームの印象だった。そんな峨王に関東最強の攻撃力を誇った西武ワイルドガンマンズのキッドと鉄馬丈のホットラインが加わり、どのような攻撃を展開するのかも気になって仕方ない。
今でも妄想が止まらなくなるのは、それだけ素晴らしい作品だったからだろう。もう一度1巻から読み直したくなった。ちなみに、炎馬ファイアーズ対最京ウィザーズ戦は、セナ対ヒル魔だけではなく金剛兄弟にとっても初対戦なのではないか。神龍寺ナーガ時代は天才の弟・阿含のサポートに徹したが、大学進学を機に袂を分かち、炎馬ファイアーズに入った雲水の物語も妄想すると胸焼けしてしまう。いつか、これらの試合が描かれることはあるだろうか。