「脅迫手帳」に私立中学進学……令和ロマン・高比良くるま、『アイシールド21』に影響されすぎた少年時代

 人気漫画『アイシールド21』(原作:稲垣理一郎/作画:村田雄介)の14年半ぶりの完全新作となる読み切りが、1月29日発売の「週刊少年ジャンプ」に掲載された。同日「stand.fm」にて配信されたラジオ『令和ロマンのご様子』にて、同作のファンを公言している令和ロマンの高比良くるまが“影響されすぎた”エピソードを語っている。

 

 『アイシールド21』は2002年から09年まで、「週刊少年ジャンプ」で連載されたアメリカンフットボール漫画。ポジションごとに多様な能力が求められるアメフトらしく、多くの個性的なキャラクターが登場し、それぞれに“生きる道”を見出す姿が熱い作品だ。自分の弱さと向き合い、強みに変えていくーーそんなキャラクターたちに勇気をもらったという有名人も多く、オードリー・若林正恭、四千頭身・後藤拓実など、漫画好きの芸人たちも口々にその魅力を語ってきた。

 2023年にM-1王者に輝き、一躍時の人となった令和ロマン・高比良も『アイシールド21』を愛する一人で、「人生のバイブル」「自分のすべて」とまで語っている。当然、新作が掲載された当日ということで、ラジオではその話題に時間が割かれることに。

 高比良が『アイシールド21』に出会ったのは、小学生時代。天才的に悪知恵が働く蛭魔妖一(ヒル魔)に憧れた高比良少年は、自身の希望を通すために人の弱みをまとめる「脅迫手帳」のエピソードを再現すべく、校長室の周りをうろうろしてゴシップを探していたという。

 不審に思われそうなものだが、優しい校長先生だったため、「大丈夫?」と心配された高比良。校長室でお茶を飲ませてもらいながら、しかし“ヒル魔っぽく”はありたいため、邪悪に笑ったりしていたそう。詳細は覚えていないということだが、そうこうしているうち、実際にアメフト用のボールを一つ、学校に導入してもらうことができたのだとか。原作のヒル魔はなかなかに悪どいこともしているため、小学生が真似することは推奨しづらい部分もあるが、漫画からひとつのスポーツに関心を持ち、少しでも大人を動かすほどの情熱を持ったというのは、作品の力を感じさせられるエピソードだ。

 ちなみに、2020年3月23日の第5回配信によれば、その後高比良は、わざわざ私立の中学校を受験し、アメフト部を立ち上げる……という『アイシールド21』のストーリーをなぞろうと計画。しかし、その学校はラグビー部が名門で、比較的近い競技であるアメフト部に生徒を勧誘することは事実上不可能だった。そこで、「まあ、ラグビー部でもよし」として、中高の6年間をラグビーに捧げたと話していた。

 もちろん、芸人らしく“盛って”話している部分はあるだろうが、あらゆるシーンを完全再現するほど『アイシールド21』を読み込み、「どんだけ真面目なんだよ、巨深ポセイドンの水町(健悟)じゃねえんだからよ〜」などマニアックなネタを早口でまくし立てては、相方のケムリから「『アイシールド21』のオタク、見たことねえんだよな(笑)」とツッコまれる高比良にとって、本作は確かに「バイブル」といっても過言ではないのだろう。

 連載開始21周年を記念した完全新作を読むことができたのはファンにとって最高の出来事だったが、次にセナやヒル魔と会えるのはいつだろうかと考えると、一抹の寂しさも感じるところ。そんななかで、今後も様々な場面で本作について語ってくれそうな令和ロマン・高比良がM-1チャンピオンに輝き、活躍の場をさらに広げているのは、『アイシールド21』のファンにとって喜ばしいことかもしれない。

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