『ONE PIECE』センゴク、黄猿、藤虎……個性的な海兵たち 世界の治安を維持する「正義」はどこへ向かう?

「正義」を標榜する海兵も

 海軍のハト派としては、「どっちつかずの正義」を掲げる“黄猿”ことボルサリーノも興味深い。

 彼は海軍の価値観を徹底するわけではなく、1人の人間として信念を持って動いているわけでもない。単行本64巻のSBSでは、オハラの惨劇をきっかけとして“どっちつかず”の境地に辿り着いたことが明かされていた。

 ただ、思わせぶりな態度も相まって、ボルサリーノを海軍に潜伏するスパイではないかと疑う読者も多いようだ。

 “青キジ”ことクザンは、正義観が途中で変わったキャラクターだ。かつてはサカズキに近い「燃え上がる正義」を掲げていたが、オハラ事件をきっかけに「ダラけきった正義」へと転向した。その後は海軍の所属を抜けたが、いまだに苦悩が続いているようにも見える。

 海兵たちの間では、他にもさまざまな思想が入り混じっている。海軍本部中将の“大参謀”つるは、「清らかなる正義」の標榜者。あらゆるものを洗濯する「ウォシュウォシュの実」の能力者にふさわしい正義観だ。

 また、扉絵連載「エースの黒ひげ大捜査線」などに登場したコーミルは、「ゆとりある正義」を掲げていた。

 そのほかアニメオリジナルキャラクターとしては、『ONE PIECE ~アドベンチャー オブ ネブランディア~』に登場した天才策略家・コーメイが「知略による正義」を提示。そして「海軍超新星(ルーキー)編」では、「メリハリのある正義」をモットーとするプロディという海軍中将が登場している。

 物語が終盤に突入するなか、彼らの「正義」がどのようにぶつかり合うのか、今後の展開が楽しみだ。

(参考:<a href="https://realsound.jp/book/2023/06/post-1353657.html/20230617-onepiece01">【写真】日本人形の老舗が作った『ONE PIECE』フィギュアが凄すぎる</a>)