【漫画】余命半年のアイドルが「天使が見える薬」を飲んだら? アイドル文化の光と影を描く漫画に反響
<p><img class="alignnone" src="/wp-content/uploads/2024/01/20230107-idol99.jpg" alt="" width="640" height="450" />
</p>――本作は2022年9月の初投稿から1年後経っての再掲となります。改めて投稿した理由を教えてください。
さりい・B:前回の再掲時に大きな反応をいただけたので、再度1年のタイミングで再掲しようと思ったんです。
――着想はどこから?
さりい・B:最初に「天使が見える薬」の物語が浮かんだんです。日常に鬱屈とした子が天使と交流していく、という話で考えていました。それから「余命アイドル」というアイデアが降ってきて、両者を一緒にしたら面白そうだなと。
――さりいさん自身もアイドルに興味があったり?
さりい・B:もともとあまり興味がある訳では無かったのですが、本作のために詳しい姉に聞いたりして勉強しました。アイドルってファンの人が描く理想の姿と実際が違うじゃないですか。それを込みで応援したり推す側、彼らに夢を見せてあげる側の乖離を描きたかったんです。
こう言うとアイドルというものに悪い印象を持ってると思われるかもしれませんが、そういう訳ではないです。理想に応えたり、そこに元気をもらう関係性がいいと思ったんです。ただ求める姿を演じきれずにつぶれてしまうアイドルの話も聞いたりするので、それもテーマのひとつにしました。
――「薬」はまた今でいうトー横的な世界観も感じさせます。
さりい・B:そうですね。この2つの軸は親和性が高いトピックだなと思うんです。アイドルにしろ、薬にしろ、誰もが何かに依存したがっているという。そういう意味で、最後には町中の人たちがACを飲んでしまうという展開にも繋がっていくのですが、このあたりの展開はちょっと急すぎたかもと反省していたりします……。
――エンディングについては?
さりい・B:余命アイドルというテーマである以上、読者の皆さんは「最後どうにかして助かってくれないかな」と願うと思うんです。その方向に向かうように考えつつ、作品のテーマを織り交ぜながらこの結末にしました。
主人公の苦しみは「自分の死がコンテンツとして消費されること」だと思うのですが、その死を本人のものとして取り戻すということが本当の救いなのかなと思って描きました。そういう奇跡が与えられても良いお話かなと思ったので。
――今後の展望があれば教えてください。
さりい・B:今のところ特に発表できるものはないですね。構想もないです(笑)。思い付いて夢中になれるものを常に描くだけなんですよ。アイデアの種はあるので、それをどう形にするかを日々考えていきたいです。それから『ザコ絵師ちゃん日記』という私の作品が現在Kindleで配信中ですので、よかったらチェックしてみてください。
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