【漫画】「自分の絵柄」を探して迷宮入り……漫画家の葛藤を描いたエッセイ漫画がクリエイター必読の内容
エッセイ漫画とオリジナル漫画の違い
――「『自分の絵柄って何だろう迷宮』に堕ちた話」の制作を決めたキッカケは?
白田:「今の絵柄に落ち着いたキッカケや絵柄への葛藤は、絵描きさんや漫画描きさんに共感してもらえるかな」と思い、制作することを決めました。
――自分自身の過去と振り返る必要があり、オリジナル作品を描くのとはまた違った葛藤があったと思います。
白田:「過去の自分はどのように葛藤していたか、そしてどう打破したか」ということを振り返ってあり、それを整頓したりなど結構時間がかかりました。その時に感じた自分の想いを漫画に落とし込むことはいつも時間がかかってしまいます……。
――そもそも、エッセイ漫画とオリジナル漫画を描くうえでの共通点・相違点は何ですか?
白田:まず相違点としては、エッセイ漫画は共感力がとても大事になると思っています。一方、オリジナル漫画は、世界観に引き込む力が大事になってくるのではないでしょうか。また、共通点は両方とも漫画は描くのが大変ということです(笑)。
――かつて白田さんが「評価されたい」と思っていたカッコいい系の絵柄が描かれたシーンがいくつかありました。カッコいい系の絵柄を描く時は、特に辛い記憶を思い出したのでは?
白田:すごく辛かったです。これまでは「実力不足なだけではなく、何か自分には決定的な何かが欠けているのではないか」という気持ちでいつも焦って描いていました。「それが“才能”であったり“センス”だったりするのかな」と思う時期もありました。ただ、今は「単純にカッコいい系絵柄の練習と研究不足なんだろうな」と開き直っている部分もあります。
完成した時の心境は
――エッセイ漫画は伝えたい思いが溢れるあまり、読みにくいストーリーになってしまうリスクが想定されます。ストーリーはどのように組み立てましたか?
白田:本来なら綺麗にまとまりがあるほうが読みやすいと思うのですが、本作の場合はとにかく「長くなってもいいから自分の経験と感情をぶつけよう」というテーマがありました。ですので、本作は、“ここ最近で一番まとまっていない作品”と自分では思っています(笑)。ただ、主人公(白田シロ)が「何があって何を思ったのか」ということがわかりやすくなるよう、ストーリー構成はしっかり意識しました。
――ちなみに小学校時代の絵柄も出てきましたが、この絵柄はどのようにして描いたのですか?
白田:小学生のころ、描いていた絵を思い出しながら描きました。ファンタジーやRPGなどのゲームイラスト、少女漫画が大好きだったので、その好きだったものを思い出しながら、絵柄も寄せつつ描きました。
――自分自身の過去と向き合って制作された本作ですが、完成した時には過去の葛藤などは前向きなものに昇華されましたか?
白田:昇華できたと思います。絵柄についての話を描いておいてなんですが、「絵柄・個性は練習のその先についてくるものだな」と思うようになりました。今では「たくさん描いて、たくさん練習して、それでも残るのが自分の絵柄なんだろうな」と感じています。「深く悩まなくても良かったんだな」「自分は大丈夫なんだな」と前向きになれました。
――過去との自分と折り合いをつけられた白田さんですが、今後はどのような活動を予定していますか?
白田:実は近々YouTubeデビューをして、漫画関連の情報をお伝えしつつ、「kindle」での漫画出版(電子書籍の出版)を予定しています。今までは紙の本を出版することに固執していましたが、今後はとにかく読者目線で面白いエッセイ漫画を描いていくこと、電子出版することに注力しようと思っています!まずはXにて最新情報を発信していくので、ぜひチェックしてもらえたら嬉しいです!
白田シロさんのXのアカウント:https://twitter.com/hakutajyanaiyo