『呪術廻戦』七海建人、人気の理由は“大人の格好良さ”にアリ 五条悟と対照的なキャラを考察

 勤労感謝の日に放送されたアニメ『呪術廻戦』第42話「理非」。本エピソードでは七海建人にスポットライトが当てられ、TVアニメ放送後、いや放送前からもSNSでは「ナナミン」がトレンド入りするなど注目を集めた。

 七海の人気は高く、高専教師陣においては作中“最強”と称される五条悟に次ぐ支持を得ている。(参考:『呪術廻戦』第3回キャラクター人気投票)なぜ五条と七海はファンから支持されるのか。2人のキャラクターについて考察したい。

五条と七海の対照的な人物像

 本作の公式人気投票において、第1・3回では3位、第2回では2位に入るなど、上位にランクインしてきた五条悟。対して七海は第1・2回では5位、第3回では7位であった。

 ただバレンタインの時期にファンから特定のキャラクター宛に贈られたチョコ数のランキング(2021年)で七海は1位にランクインするなど、五条とともに作中屈指の人気キャラであることが伺える(参考:コミックス18巻)。

 そんな2人は対照的な人物として描かれることが多い。五条は親しみやすい……包み隠さず言えばちゃらんぽらんな人物として描かれる。コミックス4巻・第32話「反省」では京都校・庵歌姫に「で あの馬鹿は?」と“馬鹿”呼ばわりされたり、直後に教え子である禪院真希からは「悟(ルビは“バカ”)が時間通りに来るわけねーだろ」と言われる。現に七海も「私はこの人(五条)を信用しているし信頼している/でも尊敬はしてません」と話した。

 対して七海は多くの登場人物から尊敬されていることが伺える。渋谷事変で窮地に立たされた釘崎を助け、彼女が一級術師としての七海の姿に圧倒されたシーンも記憶に新しい。また、とくに七海を尊敬しているのは二級術師・猪野琢真だ。彼は行動を迷ったときに「七海サンならどうするか」と考えることからも、七海が尊敬されていることが伺える。

 2人の生い立ちも対照的である。五条は呪術界御三家の一角・五条家に生まれ、相伝の術式・無下限呪術と特異体質である六眼を授かった稀有な存在。対して七海の家系には呪術師がいない。しかし一級術師まで上り詰め、呪術の核心へと近づいた証・黒閃(こくせん)の連続記録保持者としても名を残した。

 また2人の呪術界上層部に対する態度も異なっている。五条は上層部を「呪術界の魔窟/保身馬鹿 世襲馬鹿(中略)腐ったミカンのバーゲンセール」と揶揄するなど、反抗心を隠すことなくあらわにしている。一方の七海は、虎杖とはじめて会った際に「上のやり口は嫌いですが私はあくまでも規定側です」「私も(上層部と同様に宿儺を宿す)アナタを術師として認めていない」と口にした。

 周りからの印象や生い立ち、上層部に対する態度など、あいはんする人物として描かれる五条と七海。対照的な2人だからこそファンの層が異なり、人気投票とバレンタインのランキングで順位が別れたのだろう。

※次頁より、アニメ第42話「理非」ならびにコミックス14巻のネタバレを含みます

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