『東リベ』天竺編で注目、“孤独の総長”黒川イザナはどこへ向かう? マイキーとの関係性とともに解説

 絶賛放送中のアニメ『東京リベンジャーズ』。「週刊少年マガジン」で連載された『東京卍リベンジャーズ』を原作に、2021年4月より第一期が放映されて以来、熱狂的な支持を集め、2023年10月には待望の三期へ突入している。人気キャラクターが続々と登場する「天竺編」は今後の展開を大きく揺るがすストーリーであり、見逃せない場面の連続だ。

 今期のメインキャラクターは「黒川イザナ」であり、彼無しで天竺編は語れない。果たしてイザナとはどのような存在なのか? 本稿では、東京卍會を敵対視する理由などについても併せて解説していこう。

S62世代の王、黒川イザナという人物

 褐色の肌にハイトーンの髪、物憂げな瞳が印象的な黒川イザナ。圧倒的な存在感を誇り、ひときわ目立ったオーラを放つ。余裕の表情と据わった目にはついついゾクリとさせられ、ちょっぴり“見た目からしてヤバそうな奴”らしさは否めない。

 年齢はタケミチやマイキーの3つ上にあたり、極悪の世代「S62世代」と呼ばれるメンバーの1人。「王」と崇められ、名をはせる不良たちからも一目置かれるカリスマ性を持つ。

 群を抜いた強さと巨大チームを纏め上げる能力はマイキーと通ずるが、イザナは東京卍會を潰すことが目的なのでお互いは反目し合う関係に。その理由は彼の生い立ち、そしてマイキーとの関係性にあった。

マイキーとは異母兄弟?  孤独の支えとなった真一郎

 マイキーの妹・エマの口から明かされた衝撃の事実「ウチのお兄ちゃんだよ、黒川イザナ」。妹曰く何度も話したそうだがマイキーはすっかり記憶が飛んでいたらしい。タケミチやドラケンと共に驚いており、自分とイザナが異母兄弟である事実をようやく理解したのだ。

 イザナはエマと3年しか共に暮らしておらず、現在の佐野家の面々とはほぼ関わりがないまま少年時代を過ごした。幼くして家族に捨てられたショックは相当なものに違いない。これが黒川イザナという人物を狂わせた最初のきっかけになったと言える。

 ただしマイキーの兄・真一郎とは接点があり、長い間文通をしていた様子。孤独を抱えながら生きる彼にとって、ようやく自身を気にかけてくれたことが嬉しかったのだろう。現在のイザナからは考えられぬほどの素直な文章が綴られており、大量の手紙がその感情をよく表している。けれども雲行きが怪しくなり、手紙の内容から純粋さが徐々に消えていく……。

嫉妬から生み出された憤り

 心の拠り所となった真一郎のおかげで、初めて「家族」を感じられたイザナ。悲しいかなある時を境に不良の世界に足を踏み入れ、暴走の末に少年院へ。出所後は8代目黒龍(ブラックドラゴン)の総長に就任し、憧れの真一郎と再会を果たす。

 だがここで「黒龍をマイキーへ継がせたい」と言われれば、面白くないのは当然のこと……。自分のためではなく見知らぬ弟のためにチームを残した事実を知り、激しく嫉妬に狂う。イザナからするとマイキーなど後から出てきた存在だ。しかし彼は真一郎にとって本当の家族で愛する弟。反対に自分は血の繋がらない家族。“見て見ぬふりをした孤独”に触れられた切ない出来事は、マイキーへの怒りと嫉妬を膨らませるには十分だったと言える。

 とは言え誰が悪い、悪くないの話ではないからこそこの問題は難しい。真一郎の気持ちもイザナの壊れた心も、痛いほど視聴者の胸を打つ。黒川イザナの原動力は嫉妬と憤りにある。東京卍會を、そしてマイキーを潰すべく最強のメンバーを揃えるパワーには誰もが恐怖を覚えるほどだ。

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