『ブルーロック』千切豹馬はなぜ美しいのか 爆発力と気高さを兼ね備えたスピードスターの肖像

スピードという武器への圧倒的自信

 スピードという自身の武器への自信から来る熱い台詞も千切豹馬というキャラクターを語る上で欠かせない魅力の一つである。

 「俺は走るぞ、この足が壊れるまで。この熱が尽きるまで」という、怪我の恐怖から自分を断ち切り、不退転の覚悟を持ってプレーする決意を感じる熱いセリフはかなり印象深い。

 また「嬉しいか天才…?なら俺の陰でも踏んでろ」といった、他者の追随を許さない圧倒的なスプリント力を持つが故に対戦相手をノロマ扱いする千切の勝ち気っぷりが伝わる言葉だ。

 激しいプレーがつきもののサッカーというスポーツにおいて、怪我は時に選手生命にも影響を及ぼす。それ故に、大きな怪我を乗り越えて復活したプレイヤーには強く惹きつけられるものがある。膝に抱えた傷を「相棒でもあり爆弾」と評し、たとえいつ壊れたとしても後悔はないと言い切る千切の姿は美しい。アクシデントを乗り越え青い監獄最速のストライカーとして、屈強なディフェンス陣をぶっちぎる爽快感はサッカーの華だ。ピッチに華麗に咲くスピードスターの活躍を、ぜひその目に焼き付けてほしい。

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