【推しの子】コミックス、ついに累計1200万部突破 このヒットはどこまで続く? アニメ2期放送で2000万部も視野か

  赤坂アカ原作、横槍メンゴ作画による漫画『【推しの子】』のヒットが止まらない。7月19日に単行本の12巻が発行されるが、累計発行部数がついに大台の1000万部を突破、1200万部に達したことが明らかになった。単純計算で1巻あたり100万部であり、驚異的な数字である。

 本作は「週刊ヤングジャンプ」で連載され、言うまでもなく青年層をターゲットにした漫画だが、今や小・中学生にも愛読されている。人気を決定づけたのが、今年4~6月に行われたテレビアニメの放送であることは間違いない。

  参考までに、今年3月のアニメ放送前は約450万部だった。これでも十分に凄い数字なのだが、6月のアニメ放送中に900万部を突破し、部数が2倍に。6月19日、このリアルサウンドブックで「年内の1000万部突破も現実味を帯びてきた」と書いたが、わずか1ヶ月で300万部を上乗せすることになった。

 『【推しの子】』の人気は衰える様子がなく、6月28日にはアニメの2期制作が発表されたばかりである。『【推しの子】』はアニメのクオリティでも評価が高く、2期が放送されれば2000万部突破もあり得るし、過去のアニメの部数を分析すれば3000万部到達もあり得るのではないだろうか。

 『鬼滅の刃』はアニメ放送前は11巻まで刊行されて約250万部だった。アニメ放送終了後は16巻まで刊行されて約1200万部、18巻が刊行されたときは2500万部を突破した。23巻で完結したが、映画のヒットもあって、なんと現在では約1億2000万部という驚異的な部数まで到達している。

  昨年もっとも話題になった『ぼっち・ざ・ろっく!』は、アニメ放送後、1月21日に「電子版を含まず」に100万部を突破したばかりだったが、その勢いは止まらず、3月10日には2か月経たずに200万部の大台に乗った。

  いずれの漫画も共通点は、アニメが“神作画”といわれた点である。現代の漫画のヒットは、テレビアニメのクオリティが生命線と言っても過言ではない。読者は雑誌ではなく、アニメを見てから原作の漫画単行本を買い求めるケースが目立つ。その傾向は、『【推しの子】』を見ればわかるように、はっきりと部数に表れている。

 7月8日、『【推しの子】』の原作者の赤坂アカのサイン会が、出身地の新潟県佐渡市で開催された。佐渡島ということで、なかなか簡単に行ける場所ではない。にも関わらず、Twitterによれば最長で3時間待ちという長蛇の列ができたといい、人気の高さを見せつけた。『【推しの子】』フィーバーはどこまで続くのか。今後の動向を注視していきたい。

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